俳優の藤木直人が、10月17日放送の「日曜日の初耳学(MBS/TBS系)の人気企画「インタビュアー林修」に登場。林修のインタビューに答え、デビュー当時に抱えていた知られざるコンプレックスについて打ち明けた。

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■原点に“優秀な兄”へのコンプレックス

今年49歳を迎えた藤木は、俳優として26年のキャリアを持つ。芸能界を志したのは高校3年生のとき。背景には、双子の兄の存在があった。

「二卵性の双子で性格も違ったし、能力も違ったんです。小さいころ、兄の後ろ、陰に隠れているような存在で」。そんなコンプレックスから「テレビの中のキラキラした世界に行ったら自分を変えてくれるんじゃないか」と、芸能の仕事に憧れを持つようになったという。

高校3年生で「MEN’S NON-NO」のモデルオーディションを考え、兄に相談した。兄からは意外にも反対されたが、「引っ込み思案の自分を変えるにはこれしかない」という思いを捨てきることはできず、大学2年生のときに家族の反対を押し切ってオーディションに応募した。

「僕は本当に自分から踏み出せない人間なんで。唯一、頑張って踏み出したのはそこ(オーディション)ですね」というほど思い切った行動。最終選考で落選したものの芸能関係者の目に留まり、当時大人気だったコミックの初めての実写版、映画「花より男子」(1995年)の花沢類役で俳優デビューを果たした。

だがデビュー後、次第に悩みが大きくなっていった。「俳優になりたいと言っておきながら、ドラマを全然見てなかった。演技が何たるかも知らなかったし、簡単な仕事なんだろうな、覚えたことを言うだけじゃん…それぐらいにしかとらえてなかった」。

演技の仕事を続ける中で、“普通にせりふを言う”ことの難しさを知った。「自分というものをこんなに突きつけられる仕事ってないな、と思いました。“普通の人間”になるにはどうしたらいいんだろう、っていう状態でした」という。

藤木直人に影響を与えた先輩俳優とは?

そんな藤木に影響を与えたのが、ドラマ「アンティーク~西洋骨董洋菓子店~」(2001年、フジテレビ系)で共演した先輩俳優の阿部寛と椎名桔平だった。「桔平さんは熱い人ですし。“役者とは”“演技とは”“作品に対する熱意”、そういうのが『あ、これが仕事の取り組み方なんだ』『役者として生きるっていうのはこういうことなんだ』って」と振り返った。

この経験が礎となり、仕事への向き合い方は大きく変わったという。

「(仕事が)楽しくなりましたね。(以前は)芝居ができないっていう劣等感もあったし、どこか試されているみたいな気持ちもありましたけど、いつの間にか『現場にいるのが楽しい』『お芝居するのが楽しい』って」としみじみ語った。

プライベートでは3児の父で、2020年にはすてきなお父さんを表彰する「ベスト・ファーザー賞」を受賞。今は子どもの語彙(ごい)力を伸ばすことを意識していると言い、現代文予備校講師であり、子育てもしている林先生も共感しきり。

色の名前に関する林先生うんちくに、藤木が「こういう話大好きなんです!」と反応するなど、二人の知的好奇心の高さが印象的なインタビューとなった。

来年50歳を迎える藤木は、ミュージシャンとしてもキャリアを重ね、11月12日(金)には、音楽活動を支えるシライシ紗トリとの超期間限定ユニット“49(シジューク)”の結成&解散配信LIVEを行う。

「(シライシは)学年が一つ上なんですけど同じ年齢になる期間があって、29歳の時に(ユニットライブを)やろうって話があったんですけど、結局できなくて。今だからできること、じゃないですけど…」と、自身初の配信ライブに込めた思いも語った。

「日曜日の初耳学」に藤木直人が登場! /(C)MBS