スペインの山間部を車で走っていたカップルは、後ろから必死で追いかけてくる小さな犬の存在に気付いた。
カップルは犬を保護し、飼い主を探してみたが、名乗り出る者はいなかった。犬は、どうやら山に捨てしまったようだ。
これも何かの縁と、カップルは犬を家族として迎え入れた。現在犬は、カップルとその飼い猫2匹とヨーロッパ中を旅しながら幸せな日々を送っているという。
今年4月、スペインのアンダルシア州モクリンの山間部を車で走っていたマルティナ・ルッソさんとパートナーのフィルさんは、自分たちの乗る車の後を必死で追いかけてくる小型犬の姿に気付いた。
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シーズーとヨークシャテリアのミックス犬とみられるその犬が全速力で走ってくる姿を見て、最初は単なる遊びで追いかけているのかと思った。
しかし、犬は途中で止まったり引き返したりはしなかった。どこまでも車の後をついて来たため、異変を感じたカップルは車を止めた。
犬は、すぐに車の中へと飛び込んできた。2人は犬に水を与え、再び犬を車から降ろしてみた。犬が、元来た道を引き返すか様子を見てみようと思ったのだ。
その後車を走らせた2人は驚いた。犬は再び車の後ろを追いかけて来たからだ。
山に捨てられていた犬は、誰かに助けを求めていた
定期的に車で旅をして回っていたマルティナさんとフィルさんは、これまで旅の途中で野良犬と遭遇することはなかった。
しかし、スペインの山間部で必死に車を追いかけて来た犬の姿を見て、2人はあることを悟った。この犬は何らかの事情で飼い主と離れたのだと。
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そこでカップルは近くの村へ犬を乗せて走り、ペットが行方不明になった家がないか尋ねてまわった。ところが心当たりのある者はいなかった。
どうやら犬は山の中に捨てられてしまったのかもしれない。
カップルはFacebookやWhatsAppを介して、地域のコミュニティアカウントに犬のことを問い合わせる投稿をして、飼い主が名乗り出るのを待ってみたが、何週間経っても犬の飼い主は見つからなかった。
最終的に、カップルは犬を自分たちで飼うことに決め、獣医院へと連れて行った。
犬を家族に迎え入れたカップル
犬は1歳ぐらいのメスであることが判明したが、避妊手術も受けておらず、マイクロチップも埋め込まれていなかった。
また、犬は長い間トリミングされていなかった様子で、毛は伸び放題。目ヤニが溜まって汚れた姿をしていた。
適切な治療を犬に与えたマルティナさんとフィルさんは、その後犬をモクシーと名付けて、新たな家族として迎え入れた。
Abandoned dog chases down car begging to be rescued | SWNS
現在、ヨーロッパ中を旅して暮らすモクシー
必死に助けを求めるように、走る車に追いすがったモクシーは、最終的にやさしいカップルのいる永遠の家を手に入れることができた。
カップルが飼う2匹の猫は、最初はモクシーを警戒していたが徐々に打ち解け、今では仲良しになったそうだ。
モクシーは、とてもかわいく遊び心のあるエネルギッシュな犬です。私たちと一緒にハイキングするのが大好きで、山にも平気で登ります。
捨てられたと推測しますが、モクシーは人間にもとてもフレンドリーで、特に子供が大好きなようです。
今モクシーは、毎日私たちを笑わせてくれる存在になっています。
現在、モクシーはカップルと猫2匹と一緒に、ヨーロッパ中を旅しながら幸せな暮らしを送っている。
そんなモクシーの様子は、インスタグラムアカウント『moxie_the_shorkie』から閲覧することができる。
written by Scarlet / edited by parumo
【追記】2022/03/31公式インスタグラムの投稿によると悲しいことにモクシーは昨日なんらかのアクシデントによりこの世を去ってしまったという。マルティナさんもショックが大きく詳細やメッセージなどは今お休みしているとのことで本当に痛ましい。みんなを笑顔にしたモクシーの安らかな眠りをお祈りしたい。
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