今月18日、イギリス動物園が珍しい“マメジカ”の赤ちゃんが誕生したことをウェブサイトで報告した。体長20センチ、体重はわずか430グラムの小さな赤ちゃんマメジカは約4週間前に生まれ、最近になって歩けるようになったことで飼育員たちの前に姿を見せたという。『Metro』などが伝えている。

ブリストル市にあるブリストル動物園で誕生したのは、偶蹄類(牛・羊・シカなどが属する)で最小と言われているマメジカの一種“マレーマメジカ(Malayan chevrotain)”だ。

マメジカは成長しても大型のウサギほどの大きさで、小枝のように細い脚が特徴的だ。全体的にはシカのように見えるが、耳や口の部分がネズミに似ていることから“ネズミジカmouse deer)”とも呼ばれている。

今回誕生した赤ちゃんマメジカ“オーティス(Otis)”は、母親“ブリエンヌ(Brienne)”と父親“ジョラ(Jorah)”の間に約4週間前に誕生した。しばらくはブリエンヌがオーティスを隠し、オーティスも草むらでじっとしていたため姿を確認できなかったが、最近になってオーティスが自分で歩き始めたので飼育員がその姿を確認できたという。

体長20センチ、体重わずか430グラムのオーティスは、ディズニー映画のキャラクター“バンビ”にソックリだ。現在は活発に動き回っているといい、固形物も食べ始めて元気に成長している。オーティスは草食動物であるオオコウモリと同じエリアで過ごしており、来園客も目にすることができる。

この10年間に同園で誕生したマレーマメジカは、オーティスで3頭目だ。野生のマメジカの数は近年激減しており、今回のオーティスの誕生は飼育環境下にある個体数を維持するためにも非常に重要な意味を持つという。

同園で小型哺乳類チームのリーダーを務めるアル・トインさん(Al Toyne)は「ブリエンヌはこれまでに2匹産んでおり、その遺伝子は希少であるため、オーティスは種の保護プログラムにとって非常に重要な存在です」と話している。

野生のマメジカは2019年11月、約30年ぶりにその姿が目撃されたことで専門家の間で話題となった。東南アジア周辺に生息しているが、狩猟などが原因でその数が減っているという。

マメジカの個体数を維持するため、同園では世界中の動物園と協力してマメジカの保護プロジェクトを行っている。昨年に同園で誕生したマメジカの“ミッサンデイ(Missandei)”は、ヨーロッパにおける繁殖プログラムに参加するため、オランダのアウエハンツ動物園に移された。

なお日本でも上野動物園でジャワマメジカが展示されていたが、昨年10月に18年の飼育期間を経て亡くなったことが報告されている。このジャワマメジカが、日本国内最後の飼育個体だったという。

画像は『Bristol Zoo Gardens 2021年10月18日付Twitter「There’s a new arrival at the Zoo!」』『BBC 2021年10月18日付「Bristol Zoo’s third Malayan mouse deer born in a decade」(BRISTOL ZOO)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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