銃社会の国では、携帯電話によって命を救われたという話を聞くことが稀にある。このたび南アフリカで命を狙われた男性もiPhoneで通話中だったため、頭部に当たるはずの銃弾がiPhoneに被弾し九死に一生を得た。男性は一代で財を成した実業家であった。『The South African』などが伝えている。

マックス・ムクァディさん(Max Mqadi、51)は、南アフリカのダーバンにあるウムラジ(Umlazi)という町に店舗を持つ実業家だ。当初ムクァディさんはタクシー乗り場の横で精肉店を営んでいたが、そこでブラーイ(南アフリカバーベキュー)をして食べられるというレストランをオープン。さらにそのレストランだけでなくブティックやヘアサロンなども入った「Max’s Lifestyle Village」という複合施設に発展させ、今ではダーバンで最も活気のある場所と言われているほどになった。

事件が起きたのは10月14日午後6時55分。ムクァディさんが自身の店を出て車に乗り込み車道に出たところ、見知らぬ男が道路を横切りムクァディさんの車の助手席側に、もう1人の男が運転席側に近づいた。そして助手席側の男が銃を発砲した。ムクァディさんは腕と脚を撃たれながらも車を発進させ、人通りの多い場所で救急車を呼び病院に搬送された。

犯人らはムクァディさんの頭部にも銃弾を放ったが、通話中だったために弾はiPhoneに当たり、致命傷には至らなかった。ソーシャルメディアには銃弾を受けたiPhoneの写真などが投稿され、命が助かったのが奇跡と思わせるほどの凄惨さが伝わる。銃弾はiPhoneのカメラのすぐ横に当たり、その衝撃で反対側のスクリーンも割れていた。ユーザーからは「iPhoneのクオリティが高い」「彼は神に守られた」など幸運を称える声が相次いだが、「iPhoneの宣伝」「iPhoneがすごいのではなく、神が救った」というコメントも見られた。奇跡的に命拾いしたムクァディさんは、18日に退院したという。

警察によると、現場からは7発の薬きょうが見つかり、弾は運転席および助手席の窓とドアを打ち抜いていた。また監視カメラには容疑者2名が映っていたが、ともに帽子をかぶりマスクをしていたため犯人は特定できず、今のところ逮捕者は出ていない。

画像は『The South African 2021年10月15日付「iPhone saved Max Mqadi’s life – it took a bullet meant for his head [Update]」(Photos: Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN

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