様々な男性用の避妊器具の開発が進められている。現在一般的なのがコンドームだが、残された選択としては外科手術で物理的に精子を止めてしまうパイプカットくらいしかない。
そこで新たに開発されたのが、ふぐりを人肌に温めたお湯に入れ、超音波を照射する「ふぐり(睾丸)風呂」だ。
ドイツの発明家が開発したこの男性用避妊デバイス「COSO」は、第三の避妊方法として注目を集め、同国のジェームズ・ダイソン賞を受賞したという。
使い方は簡単。まずは充電し、内側の白い線までデバイスに水を入れる。ボタンを押すと水が温まり37度(体温くらい)になるとライトが青色に変化する。
これで準備完了だ。あとはそこに睾丸をちゃぽんと浸す。すると超音波が照射され、数分ほどで避妊が完了する。
何分風呂にふぐりをつけておけばいいかは、アプリで管理ができるという。
痛みも副作用もなし
ふぐりに超音波を照射するなど、男性諸氏ならヒュンと股間が縮み上がる思いがするだろうが、ただお湯につけるだけなので、痛みも副作用もないのだそう。
なぜこれで避妊ができるかというと、超音波と熱により精子の働きを止めてしまうことだそうだ。
マウス実験によると15分間、37度のお湯で3Hzの超音波を当てた場合、1回だけで、2~6か月の避妊効果があったという。
2012年、新たな医療技術研究開発に力を入れているパーセマス財団が超音波で男性の避妊に成功しているが、COSOはその成果を応用したものであるそうだ。
このデバイスを開発したのは、ミュンヘン工科大学のレベッカ・ヴァイス氏である。彼女は1年ほど前、子宮頸がんの前症状が見つかった。原因は避妊薬(ピル)だったそうで、そのため避妊薬を服用できなくなってしまった。
これがきっかけで、男性には避妊の選択肢が限られていることに気がつき、大学院の修士論文のテーマとして男性用避妊デバイスを選んだという。
簡単に使えて体に優しい男性用避妊器具
ユーザーフレンドリーな避妊
コンドームとパイプカット以外の男性向け避妊はないこともない。男性用ピル、注射で精管をふさぐ方法、手術でバルブを移植する方法などが開発されている。
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だが、副作用の重さや使い勝手の悪さのせいで、あまり普及していない。
そこでCOSOの開発では、簡単に使えて、それでいて体に負担をかけることのない避妊法が目指された。
安定したパートナーがいる20~30代の男性や、泌尿器科・泌尿器科・性治療・心理療法といった各分野の専門家と共同で開発され、まさにユーザーフレンドリーな避妊デバイスに仕上がったとのことだ。
今後はプロトタイプで実現性を評価
ただし、まだ人間への効果は検証段階である。
今後は、プロトタイプを作成して、安全性を確認したり、技術的な実現性などの評価が行われるとのこと。また臨床試験を行うための資金や開発パートナーも必要であるそうだ。
ドイツのダイソン賞受賞者となったヴァイス氏は、賞金4万5千ドル(約500万円)の国際賞の最終選考に残っているそうだ。
References:COSO – The new way of male contraception | James Dyson Award
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