巨人は21日、亀井善行外野手(39)が今季限りで現役を引退すると発表した。2004年にドラフト4位で巨人に入団。巨人一筋17年、プロ生活で8度のリーグ優勝、2度の日本一に貢献。2009年のWBCにも日本代表の一員として加わり、世界一に輝いた。ファン、ナイン、誰からも愛された男がユニフォームを脱ぐことになった。
今季はここまで91試合に出場し、打率2割1分6厘、3本塁打、17打点。開幕戦のDeNA戦(東京ドーム)では、史上初となる開幕戦での代打サヨナラ本塁打を放ち、打線の状態が落ちてきた9月以降は5番に入るなど、チームを支えてきた。一方で体はギリギリの状態だったという。昨シーズン終盤に痛めた股関節の影響が大きく、思ったようなパフォーマンスを残せなくなったことで引退の決断に至った。
巨人一筋17年のベテラン。原監督からも「困ったときの亀ちゃん」と全幅の信頼を置かれている。「打線の状態が悪くなった9月以降に5番に置くなど、監督の亀井への信頼感は絶大。たとえ打席で結果が出なくても常に全力プレーを欠かさない。チーム最年長野手として、キャプテンの坂本を陰で支えるなど、チームにとっては間違いなく欠かせないピースでした」(球界関係者)。
そんな亀井にはチームの苦境を救うある役割が期待されている。
「亀井を慕う若手ナインにとっても引退が発表されたことで、ポストシーズンに向けて『亀井さんのために!』と気合が入ることは間違いない。チームの中心選手が抜けるときには、総じて花道を飾ろうとチームが一致団結するもの。他球団にとってはそのムードが脅威にもなる」(同)。
チームは20日のDeNA戦(横浜)を3ー2と勝利し、ようやく10連敗を止めたばかり。3年連続のCS出場にも王手をかけたとあって、次の目標は球団史上初の下剋上の日本一となる。
亀井は現在、左ふくらはぎの打撲から登録抹消中だが、23日のヤクルト戦(東京ドーム)からの復帰も視野に入れる。レギュラーシーズン残り2試合、さらに待ち受けるCSへの下剋上に向けて、チームの士気を高められるか。ベテラン「最後の大仕事」に期待が高まっている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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