6月23日以降に実施される選挙では、新型コロナウイルス感染症で入院したり、宿泊施設や自宅で療養・隔離中であっても、「特例郵便等投票」を利用することができるようになりました。7月の都議選では2000人を超える療養者のうち107人が郵便投票を申し込み80人が投票、海外からの帰国者で経過観察中だった30人と合わせて110人がこの制度を利用しました。

 入院している場合、都道府県選挙管理委員会が指定する施設であれば「不在者投票」できますが、これは従来の選挙でも実施されています。それ以外の入院施設や宿泊施設、自宅などで療養・隔離中の人は、「特例郵便等投票」を行うこととなります。

 この制度を利用する手順は以下の通りです。ここでいう「選管」は、選挙人名簿登録地=市区町村の選挙管理委員会を指します。

  1. 選管ホームページなどから、投票用紙の請求書をダウンロードして記入します。
  2. 投票日の4日前必着で選管に送ります。
  3. 選管から、投票用紙と投票用封筒が届きます。
  4. 投票内容を記入して、選管に送ります。
特例郵便投票 手続きのイメージ

特例郵便投票 手続きのイメージ総務省HPより)

 一見シンプルなようですが、市区町村の選管では独自にホームページを持っていない自治体も多く、多岐にわたる情報を掲載している自治体のホームページから選挙情報を探すのが難しい場合も少なくありません(筆者がいくつかの自治体で試みたところ、ダウンロードまでたどり着ける割合は2分の1以下でした。以下は比較的わかりやすかった目黒区と、掲載を確認できなかった秦野市の例)。

衆議院議員選挙 新型コロナウイルス感染症により自宅療養等をされているかたの郵便等投票(目黒区)
衆議院議員選挙 特例郵便等投票請求書(目黒区)
検索結果一覧 キーワード:特例郵便(秦野市)

 また、4日前に必着とありますが、一往復半の行程は郵便事情によって前後することもあり、選挙期間の短い選挙(町村では5日間)での運用は難しいと言えるでしょう。

 さらに2と4の投函は感染していない人に依頼するよう求められており、患者や家族、施設の職員などにもかなりの負担を強いることとなります。

 あくまでも特例という形で急遽設けられた制度ですが、選挙権=投票する権利の保障には不十分であると言わざるを得ません。感染症拡大下に限らず、人口減少とともに投票所の数も減り、投票所の運営コストも高止まりしている今、さらなる制度改善が望まれます。