ヘビの毒は恐ろしいと聞くが、実際に噛まれたらどうなるのだろうか? この疑問を解決するために、アメリカのYouTubeチャンネルが実験した動画がある。「SNAKE VENOM VS FLESH!!!(ヘビの毒vs肉)」という動画だ。

参考:【写真】ヘビの毒により真っ黒に変色する牛肉

 2020年7月7日公開の動画で、再生回数は665万回にものぼる。なお、こちらの動画はやや刺激的なシーンも多いので、苦手な方は視聴しないことをおすすめする。

 動画では生の牛肉を用意し、3種類のヘビにそれぞれ肉を噛ませる。3日経過後に、それぞれの反応を見るのが動画の趣旨だ。こちらの肉を、人間の体に置き換えて考えてみるとよいだろう。

 1つめのヘビは「ヒガシダイヤガラガラヘビ(Eastern Diamondback Rattlesnake)」。北アメリカに生息する最大の毒蛇だ。

 ナショナルジオグラフィックによると、ヒガシダイヤガラガラヘビの毒は強い溶血毒で、赤血球を破壊してほかの組織にも損傷を与える。噛まれた傷は非常に強く痛み、最悪死に至ることも。

 道具を使ってヘビの首を掴み、その鋭い牙で肉を噛ませる。噛んだあと、肉の周りに溶結性の黄色い毒が飛び散っており、見るからに恐ろしい。

 次のヘビは「スナウテッドコブラ(Snouted Cobra)」。スナウテッドコブラは神経毒をもっている。ほかのヘビ毒のように組織を破壊することはないものの、神経系に作用し、筋肉麻痺やしびれを起こす可能性がある。最悪の場合、死に至ることも。

 最後のヘビは「パフアダー(Puff Adder)」。もっとも恐ろしいヘビの一種と言われている。アフリカで、毎年多くの人間を殺している凶悪なヘビだ。

 パフアダーに噛まれると、人間の肉は壊死する可能性がある。人体に入った毒は非常に強力で、切断を余儀なくされることも。動画内でも、噛まれた足の一部で表面がなくなり、中の肉が見えている映像もあった(非常に刺激の強い内容なので、視聴する際は気をつけてほしい)。

 そして3日経過。動画では実験のために、3種類のヘビが噛んだ肉と、ヘビに噛まれていない肉の4種類を用意している。

 まずは、対比用の一般的な肉を見てみる。やや緑色に変色しており、臭いは強烈。思わず吐き気を催し、少し涙が出ていた。動画内では明言されていないものの、おそらく常温で3日間放置していたので、ただ腐っているだけだろう。

 ヘビが噛んだ肉のなかで、もっとも症状が軽かったのは「スナウテッドコブラ」。さきほどの通常肉と同じく緑色に変色しており、一部は黒くなっていた。毒が侵入した箇所のみ、黒く変わっている。しかし全体まで黒く変色しておらず、肉自体も少々の力で裂けることはなかった。

 ここからが恐ろしい結果となっている。「ヒガシダイヤガラガラヘビ」の噛んだ肉は、スナウテッドコブラよりもさらに黒く変色していた。臭いは非常に強烈で、顔に近づけなくても吐きそうになっている。また肉が柔らかくなっており、少しの力で肉が簡単に裂けた。

 もっとも恐ろしい結果になったのが「パフアダー」。これまでの肉の中で、もっとも腐っている。肉全体が黒く変色しており、臭いも非常に強烈だ。また恐ろしいことに、少し力を加えるだけで簡単に肉が裂ける。指で挟んで少し力を入れると、肉がバラバラになる。これが人の手や足だと考えると、思わず身震いしてしまう。

 このように、あらためて毒ヘビの恐ろしさがわかる動画であった。もしヘビの生息するエリアに訪れることがあれば、ぜひこの動画を視聴して、その恐ろしさを前もって知っておいてほしい。

(文=小川遼)

動画サムネイルより