「バイオハザード」シリーズや「ファイナルファンタジー」シリーズなど、日本のテレビゲームはかつて一世を風靡したが、近年では「コール オブ デューティ」や「グランド・セフト・オート」シリーズなど欧米発のゲームが世界でヒットを記録している。

 中国の騰訊数碼はこのほど、米国メディアの「the verge」の記事を引用し、日本のゲーム産業が衰退を続ける理由について論じた。

 報道によれば、世界中で大ヒットを記録したテレビゲームロックマン」や「バイオハザード」を手掛けたことでも知られる稲船敬二氏は以前、「日本のゲーム産業は死に体」の見方を示し、ゲームプログラマーJames Mielke氏は日本のゲーム産業が衰退しつつある理由について、「原因は複雑だが、その根底はゲーム機というハードに問題がある可能性がある」と主張した。

 ゲーム機というハードの仕様が極端に複雑である場合、ゲームメーカーにとっては開発が困難となるためゲームメーカーから幅広い支持を得にくくなる一方、マイクロソフト社のゲーム機Xbox」はパソコンと互換性が高い開発プラットフォームがあるため、欧米のゲームメーカーにとってはタイトル開発が容易となる。

 記事は「ソニープレイステーション2プレイステーション3は極めて独特なアーキテクチャを採用しているため、開発が難しく、開発コストが上昇してしまう。かつてプレイステーションの独占タイトルだったファイナルファンタジーは現在、Xboxでも発売されているが、ゲームメーカーは開発コストを分散させるため複数のゲーム機でタイトルを発表せざるを得ないのだ」と論じた。

 さらに記事は、日本のゲーム産業が衰退しつつある理由として、ユーザーの購買力低下のほか、日本のユーザー独特の嗜好性を挙げている。世界のゲーム市場ではFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)やグランド・セフト・オートのようなオープンワールドゲームが主流となっているが、日本ではRPG(ロールプレイングゲーム)が好まれる一方で、その売上は徐々に低下していると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)