日弁連は10月22日、「学校における働き方改革の在り方に関する意見書」を取りまとめ、文部科学大臣などに提出した。給特法(「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」)を抜本的に見直すべきだとしている。

教員の長時間労働が社会問題となる中、学校における働き方改革については、中央教育審議会で議論が行われ、2019年1月25日に答申が取りまとめられた。これを受け、2019年12月に残業時間の上限を原則「月45時間、年360時間」とする指針を定め、1年単位の変形労働時間制の導入を可能とする法改正がされた。

これに対し、意見書は「現状の根本的な原因を是正するものとはなっておらず、教育において求められる教員の専門性に根ざした裁量を保障し、子どもの学習権を実現していく上で十分なものにはなっていない」と指摘。

給特法を抜本的に見直し、「労働基準法の定める最低基準を厳守し、休憩時間や持ち帰り残業及び休日労働を含む労働時間の適正な把握と上限規制並びに時間外割増賃金の支払をなすべき」としている。

また、1年単位の変形労働時間制の導入については、「現在の教員の長時間勤務の問題の解決につながらないばかりか、かえって現在の勤務条件を更に悪化させるおそれがあ」るとして、現在は実施すべきではないとした。

●学校における働き方改革の在り方に関する意見書(日弁連)

https://www.nichibenren.or.jp/document/opinion/year/2021/211020.html

教員の働き方改革「残業代の支払いを」「給特法、抜本的に見直すべき」 日弁連が意見書