イギリスの病院で今年5月に誕生し、翌日に息を引き取った女児の両親が、病院や医師を相手に法的措置を取る構えであることを明かした。女児は鉗子分娩により誕生し、立ち会った父親が「ホラー映画のようだった」という当時の様子を語った。『Manchester Evening News』『Liverpool Echo』などが伝えている。

英ウェストランカシャーにあるオームスカーク病院(Ormskirk Hospital)で5月10日、マリッサ・バーノンさん(Marisa Vernon、27)がウィンターちゃん(Winter)を出産した。

マリッサさんの出産予定日は5月2日で、陣痛が始まらなかったことから8日に同病院に入院、陣痛誘発剤を使用して監視下に置かれていた。しかし子宮口がなかなか開かず、10日に急遽帝王切開での分娩が決まった。

マリッサさんはその日、医師に局所麻酔薬(硬膜外麻酔)を与えられ、下半身が何も感じない状態になると車椅子で分娩室に運ばれた。ところが分娩室に到着すると医師は「子宮口が開いているから自然分娩で産めるだろう」とマリッサさんに告げ、金属製の2枚のへらを組み合わせたはさみのような鉗子を使って赤ちゃんの頭を引っ張り始めた。

マリッサさんは当時のことをこのように振り返る。

「鉗子を使う医師の力はかなりのもので、私は何度もベッドから引きずり降ろされそうになり、そのたびに助産師が私を定位置に戻していました。」

「麻酔が効いていた私は陣痛を感じることができなかったので、私の隣にいた助産師が医師に陣痛が来ていることを知らせ、医師はそれに合わせ鉗子で赤ちゃんの頭を引っ張っていました。ただ医師は子宮の収縮がなくても頭を引っ張り続け、助産師が『今は陣痛はありません』と叫んでいるのにもかかわらず処置を続けたのです。」

「結局医師は会陰切開を行い、ウィンターが出てきました。でもすぐに別の部屋に連れていかれ、緊急処置が行われたようです。これは後で聞いたことですが、ウィンター心肺蘇生法を施されていたそうです。」

一方で立ち会いをしていた夫のマイケルさん(Michael、35)は、「分娩が始まるとすぐ、何かとんでもないことが起きている」と直感したと語り、このように続けた。

「赤ちゃんが出てくるとすぐ、頭部に怪我をしているのが分かりました。ウィンターの頭頂部は陥没し、頭蓋骨を挟んでいたであろう鉗子の形が残っているのがはっきりと見て取れたのです。また目の上には10.1~12.7センチ(4~5インチ)の大きな切り傷ができていました。あの光景は一生頭に焼き付いて離れないでしょうし、忘れることもないでしょう。あれは私にとってまるでホラー映画のようだったのですから。」

なお夫妻は共に「分娩室の中はかなり緊迫していた」と明かしており、ウィンターちゃんの誕生時の状態を「ボロボロにされて酷く傷つき、痣ができ、まるで死んでいるようだった」と表現している。

ウィンターちゃんは翌日、アルダーヘイ小児病院に転院し、一度は持ち直したもののその日のうちに死亡しており、夫妻は同病院の医師らに「ウィンターちゃんの頭蓋骨にはかなりのひびが入っているようだ」と告げられたという。

またウィンターちゃんの死から数日後、夫妻はオームスカーク病院のスタッフと名乗る人物から「あの分娩には問題があった」という趣旨の連絡を受けたそうで、憤りを隠せないマリッサさんは「私たちは赤ちゃんを失った悲しみと向き合わなければならないうえ、なぜウィンターの命が奪われてしまったのか、その真実を知るために闘わなくてはならないのです」と述べ、法的措置を取ることを明かした。

ちなみにウィンターちゃんの死因は現在、同地域を担当する上級検死官が調査中で、国民保健サービス(NHS)の調査機関や独立規制機関であるケア・クオリティ委員会(CQC)なども動き出しており、結果が出るまで詳細は明らかにされないとのことだ。

画像は『The Daily Star 2021年10月24日付「‘Shattered’ parents claim baby girl died in devastating ‘horror film’ delivery」(Image: Marisa Sheard)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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