今月20日、アメリカで銃を持った男がコンビニへ強盗に入る事件が発生した。しかし当時、現場に居合わせた元アメリカ海兵隊員があっという間に犯人を捕獲した。元海兵隊員とはいえ冷静かつ迅速な対応に、多くの人から「本物のヒーロー」といった声があがっている。『ABC15 Arizona』などが伝えた。

事件は今月20日午前4時26分、米アリゾナ州ユマのガソリンスタンド「Chevron」内のコンビニで発生した。当時の様子を映した防犯カメラには、出勤前に買い物をしていたジェームズ・キルサーさん(James Kilcer、32)が映っている。

レジカウンターの前で店員と何かを話している様子のジェームズさんは、後ろにあるドアが開くと同時にその場を去ろうと振り返った。するとそこには2人の男がいて、1人が店員に向けて所持していた銃を構えた。

この男らは強盗のためにこの店を訪れ、もう1人は現金や商品を入れるためのバッグを持っているのが確認できる。突然のことにジェームズさんはその場に立ち尽くしており、さぞかし驚いたに違いない。ところがその数秒後、ジェームズさんは左手で犯人が構えていた銃を弾き飛ばし、犯人に掴みかかったのだ。

バッグを抱えた男は銃を持っていなかったようで、ジェームズさんの予想外の反撃に驚き、転びながら店の外へ逃げていった。映像はここで終わっているが、その後ジェームズさんは銃を持っていた男を床に押さえつけたという。

冷静かつ迅速なジェームズさんの対応にはただ驚くばかりだが、実はジェームズさんは元海兵隊員で、落ち着いて状況を判断して素早く必要な対応を取ることができたのだ。

ジェームズさんはいとも簡単に銃を弾き飛ばしたが、思いつきだけでできるような行動ではない。過去に海兵隊員としてアフガニスタンへの派遣など厳しいトレーニングと経験を積んできたからこそ、完璧な行動を取ることができたのだろう。

現在のジェームズさんは米国防総省に勤めており、職場での銃の所持は禁止されている。そのため事件当時は銃を所持していなかったが、「もし銃を持っていたら違う結末を迎えていたかもしれない」と話している。

「当時店を出ようとしていた時に後ろで乱暴にドアが開く音がして、その時に危険な予感がしたんです。それから銃を見た時は、銃身がやけに小さいなと思いましたね。」

その後の行動は本能に従ったと話すジェームズさんは「この状況に対処しなければならず、その方法は1つしかありませんでした。狙いを定めて動き出そうとした時に、犯人も私の手の届く位置にまで踏み出してきました」と当時を振り返る。

左手に車の鍵を持っていたジェームズさんは、鍵を手放してその鍵が床に落ちる前には銃を弾き飛ばすほどの素早さで犯人に攻撃を仕掛けていたと明かしている。持っていた買い物袋を武器代わりに振り回し、あっという間に犯人を取り押さえた。そして犯人の仲間が襲ってくる可能性も考え、すぐに男が持っていた銃を構えて再び臨戦態勢を取ったそうだ。

ジェームズさんは「海兵隊員だった頃より2~3キロは太っているから、もうあんなに速くは動けないよ」と笑いながら話している。

事件を担当したユマ郡の保安官事務所によると、この時犯人は3人いたそうで、1人がジェームズさんに捕らえられたのを見ると残りの2人は逃げ出した。捕まった1人は若い青年であると報道されており、逃走した2人は警察が行方を追っているという。

同保安官事務所がFacebookで公開したこの動画には、再生回数がすでに195万回を超えており、ジェームズさんの素晴らしい対応に多くの人が驚愕している。

「さすが海兵隊員だね」
「彼こそ本物のヒーローだ」
「この人をボディガードにしたい」
「辞めてもなお、海兵隊員として然るべき行動を取る彼は本当に素晴らしい」
「彼には1年間無料でガソリンを提供してほしい」
「素早い判断と行動がヒーロー過ぎる」

あまりにスムーズなジェームズさんの行動には担当保安官も驚いており、ジェームズさんにどうやってあの状況を乗り切ったのかと尋ねると「海兵隊員だった時に、無駄な行動を取らないようにと教わったんです」とシンプルに答えたそうだ。

画像は『ABC15 Arizona 2021年10月23日付「Marine veteran disarms robber: “The situation had to be dealt with”」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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