車・自動車・掃除

汚れた状態を極端に嫌い、家にいても清潔かどうかが気になって仕方がないという10代の少年。病院にも行くほど悩んだが、その苦悩が少年の自立に向けての第一歩につながった。

少年とその家族の取り組みについて、『The Mirror』など英国のメディアが伝えている。


■ある症状に悩んだ少年

イギリスのグレーター・マンチェスターで暮らす少年(15)は、ある時期から家の中を清潔に保つことにこだわるようになった。病院に行き相談したところ、強迫性障害(OCD)を患っていると診断された。

悩む少年を見て、「家の外で過ごす時間を増やしてあげたい」と考えた家族は、車の洗浄に必要なカーケア製品のセットを購入。与えられた少年は使用法を調べ上手に使いこなすようになり、親戚の車をピカピカにして大喜びさせるようになった。

作業に没頭できることを安心した少年は、「近所の人たちの車もきれいにしてあげたい」と考えるようになったという。


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■近所でも評判に

少年の思いを知った母親はSNSのコミュニティページを調べ、「車をきれいにしてほしい人は、家の前に駐車しておいてください」「ピカピカに洗ってさしあげます」と書き込んだ。

すると投稿からわずか数時間で車の列ができたため、少年はさっそく作業を開始。1台につき約780円の料金を請求したが、ほとんどの人はその倍の額を差し出し、少年を喜ばせた。

■有名人も顧客に

少年がカーケアの仕事をするようになり、すでに2年。その方法については自分で調べて身につけ、宣伝に使うチラシのデザインも自ら考え作り上げた。

SNSで少年を知った多くの人が仕事を依頼するようになったというが、その中にはサッカー選手を含む有名人も。ピカピカに仕上げる少年のスキルに頼る人は、増える一方だ。

なお少年はまだ学校に通っているが、いつかは立派なカーケア企業を立ち上げ、全国規模にする夢があるという。家族も「誇りに思います」「応援してあげたい」と話しており、少年の活躍を見守っている。


■心配する声も…

自分では、コントロールが難しい強迫性障害。その特性を生かす少年にメディアは注目しているが、強迫性障害を知る人からは「どれだけきれいにしても満足できないのがOCD」「本当は心身ともに疲れ切っているのではないか」と心配する声も上がっている。

病気については、認知行動療法や薬による治療があるという。少年の治療がどの程度進んでいるのかは不明だが、症状が軽減し気持ちが楽になることを、誰よりも本人が願っているに違いない。

強迫性障害の特性を生かしビジネスに 有名人も顧客にした少年の活躍に注目集まる