亀梨和也が2022年春より、WOWOWにて放送・配信スタートされる「連続ドラマW 正体」で主演を務めることが分かった。本作で亀梨は、映画「事故物件 恐い間取り」(2020年)以来の再タッグを中田秀夫監督と組み、脱獄する死刑囚・鏑木として染井為人の傑作サスペンス「正体」(光文社刊)の映像化に挑む。鏑木を演じる上で亀梨は自身のアイデアにより地毛を金髪に染めるなど、入念な役作りに励んでいる。亀梨は「鏑木慶一とはいったい何者なのか。彼の“正体”、このタイトルの意味を考えながらドラマを楽しんでいただけたらうれしいです」とコメント。

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■強烈でスピーディーな展開に引き込まれる…!

本作はデビューと共に「第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞」を受賞した染井の同名小説が原作。ある夫婦の殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑を宣告された鏑木慶一(亀梨)は、移送中に脱獄し、逃走しながらも潜伏先で出会う人々をさまざまな窮地から救っていく。

そして、その彼が指名手配中の死刑囚だと気が付いた時、救われた人々は「彼は本当に殺人犯なのか?」と疑問を抱き始める。なぜ、彼は人々を救っていくのか。それは、罪を着せられたことへの復讐(ふくしゅう)のためなのか。彼の本当の“正体”とは…突飛なところから物語が始まる衝撃のサスペンスエンターテインメント。

本作では、亀梨が自身のアイデアにより地毛を金髪に染めるほか、脱獄を図る死刑囚・鏑木を演じる上で入念な役作りに励んでおり、劇中では名前や容姿を次々に変えていくため、その“扮装”も見どころとなっている。

また、亀梨と再タッグを組む中田監督をはじめとした強力な布陣が集結。「連続ドラマW 夜がどれほど暗くても」や、公開を控える映画「ミュジコフィリア」の谷口正晃監督が本作の第3話と第4話を手掛けるほか、WOWOW開局30周年記念「連続ドラマ W 華麗なる一族」や「第44回日本アカデミー賞」優秀脚本賞を受賞した映画「Fukushima 50」の前川洋一が脚本、映画「北の桜守」で「第42回日本アカデミー賞」優秀音楽賞を受賞した海田庄吾が音楽を担当する。

亀梨和也コメント

社会派のイメージが強いWOWOWのドラマWに初めての出演。ドラマだけれど、一本一本、映画的な現場の進み方、撮り方で。本当に一枚一枚重ねているという感じではあるので、ちゃんと重みを感じてもらえるものになるんじゃないかと思います。

昨年、映画でお世話になった中田監督と、こうしてまた早い段階でご一緒できるということがとても光栄で、非常に楽しみでした。現場では中田監督とすごくスムーズに意思疎通できているので、初めましてじゃない強みっていうのはすごく感じています。

おこがましいかもしれませんが、中田監督とは信頼関係があると感じているので、僕も魂を全開にしていられるというのは、すごく居心地の良い現場だなと思っています。またお名前を見るだけで震えるほど、僕のギアがいくつも入るぐらいの素晴らしい共演者の方たちから、たくさんのエネルギーをいただいているので、それをお芝居にしっかりと反映させたいです。

僕が演じる鏑木慶一は、ある夫婦の殺人事件の犯人として死刑宣告を受けながら逃亡を図ります。姿と名前を変えながら全国を転々とし、行く先々でさまざまな人と出会い、関わり、何かを感じていきます。鏑木慶一とはいったい何者なのか。彼の“正体”、このタイトルの意味を考えながらドラマを楽しんでいただけたらうれしいです。

■中田秀夫監督コメント

亀梨和也さんが「正体」の主人公を演じられると聞き、是非またご一緒したいと即答しました。その理由は、「事故物件恐い間取り」での、亀梨さんの、演じる役を「できるだけ深掘りしよう」という真摯(しんし)な向き合い方、現場での私たちとの、クリエイティブな協働ぶりにほれぼれしたからです。

撮影前に行うキャメラテスト(通常は代役を立てます)に亀梨くん自ら申し出てくれ、参加してくれたのにも感銘を覚えました。この真摯(しんし)さと共に、現場では自然体にリラックスして居てくれて、一見大変そうな場面もスムーズに行き、私の求める密度の濃い演技もしっかりとやっていただきました。監督の求める演技を、一切迷わずに表現しようとしてくださる稀有な俳優さんだと思います。

今回の「正体」では、「脱獄した死刑囚」という非常に特異な存在で、自分が何者かを変装等で必死に隠しつつ日本各地を転々とし、出会った人々と「人間的に」関わり合い、時として彼らの抱える問題を解決さえしてみせる。それゆえにひた隠すべき『正体』が暴かれそうになる…一見矛盾する行動を取る主人公ですが、彼は自身が置かれた苛酷極まる境遇にも関わらず、現代日本人が忘れがちな、「他者への共感力」が非常に強い人物なのだと思います。

決して単純明快に演じられる役ではないですが、亀梨さんは、主人公の鏑木が「正体」を隠す=見た目だけでなく、設定に合わせて、話し方や「性格」までも劇的に変化させていくのを、チャレンジしがいのあると楽しみにされているように感じます。

それぞれの「変装」の高い質を追求し、各キャラクターをリアルに掘り下げて、「確かにいるな、こういう人」と視聴者の方々に納得していただく努力を亀梨さんと共にしたいと思います。その奥に「鏑木」のヒューマンな「正体」がゆっくりと、でも鮮明に浮かび上がってくるような作品を目指したいと思います。

視聴者の皆さんには、主人公(=脱獄した死刑囚)に感情移入してください、とはお願いしづらいので(笑)、各話で出会う人物たちに思いを寄せていただきたく思います。彼らが抱える「人間的な問題」を主人公は主体的に関わり解決してみせる…しかし、その「密接な付き合い」を通して、彼らは、主人公が全国指名手配中の死刑囚らしいことに気づき始める…「そんな馬鹿な!あの人が!?」と叫び出したい思いを抱えつつ、彼らは通報すべきか否か、狂おしく迷う…。

もしも自分にとても親身になってくれた新しい友人が、『全国指名手配犯』だとしたら…あなたはどう行動するか? このサスペンスフルでエモーショナルな設定を存分に堪能していただきたく思います。

■谷口正晃監督コメント

――連続ドラマ化が決まった際の心境

素晴らしい企画だと思いました。骨太で極上のエンターテインメントを連打する「ドラマW」に再び参戦できるのは、自分にとって望外の喜びです。しかも主演は亀梨さんで、中田監督が総監修――身が引き締まる思いを味わいながら、これは絶対にいい作品ができると確信しました。

――原作を読んでの感想

全く先の読めない展開に一気に引き込まれました。さまざまな場所に全くの別人となって出没する鏑木。関わった人々に見せる彼の“顔”は犯人のそれか、それとも…? 逃走劇としての面白さはもちろん、多様な人間関係がきめ細やかに描かれ、人間が人間を信じる事の意味が問われる、とても濃密で深い味わいの物語に胸を打たれました。

――主演を務める亀梨さんの印象

初めてお会いしたときから、亀梨さんから発せられる熱量が半端なかったです。死刑宣告という過酷な運命と向き合う鏑木。準備の段階から亀梨さんの瞳の奥には、そんな鏑木の憂いと執念が感じられ、その意気込みにゾクゾクしました。現場でも亀梨さんの集中力は本当に素晴らしく、全身全霊の演技に大きな手応えを感じています。

――視聴者へのメッセージ

逃走を続ける鏑木は真実を証明できるのか? なぜ彼は出会った人々を窮地から救うのか? 誰にも本当のことを言えず、容姿を変えて逃げ続ける鏑木の“正体”は? 絶体絶命の逆境に抗い続ける脱獄犯をときにエネルギッシュに、ときにクールに演じる亀梨さんの演技は必見です。ほかに類を見ないヒューマン・サスペンス、どうぞご期待ください!

■原作者・染井為人コメント

――連続ドラマ化が決まった際の心境

まず、驚きました。次に恐怖を覚えました。わたしの中のある種の妄想が具現化されるわけですから、それはうれしくも恥ずかしくもあり、恐ろしいことのようにも思うのです。多くのキャスト・スタッフの皆さまを巻き込むことに罪悪感のようなものすら覚えますが、今はただ“よろしくお願いします”という気持ちでおります。

――主演を務める亀梨さんの印象

二十代の頃は“麗しい男の子”という印象でしたが、ここ最近は“芯のある男性”というイメージです。きっとさまざまなご経験をなされてきたからなのだろうと、そんな手前勝手な想像をしております。その重圧たるや、常人には計り知れませんが。そんな亀梨さんがどのように鏑木を演じてくれるのか、とても楽しみです。

――視聴者へのメッセージ

ドラマ版では原作とはまた違った「正体」を味わっていただけると思います。亀梨さん演じる主人公・鏑木慶一の“正体”を突き止め、最後まで見届けていただけたら幸いです。

「連続ドラマW 正体」で脱獄する死刑囚を演じる亀梨和也/※提供写真