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カットがかかりホッとした表情を

買い物客や帰宅途中の人々が行き交う夕方の商店街。

9月上旬、本誌が目撃したのは柳楽優弥(31)の姿だ。隣には、小学生くらいの女の子が1人ーー。10月16日にスタートした柳楽の主演ドラマ『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』(日本テレビ系)の撮影だった。

「柳楽さんの7年ぶりの連ドラ主演作。中学受験が題材で、柳楽さんはカリスマ塾講師を演じています。人気漫画が原作ですが、“再現度が高い”と原作ファンからの評判も上々です」(テレビ誌記者)

塾が舞台で、生徒としてたくさんの子役が出演する作品。子役とのシーンでは撮影は和やかに……と思いきや、本誌が目撃した冒頭の撮影現場は意外にも緊張感のある雰囲気だった。

柳楽と子役の女の子は休憩中も一切笑顔を見せない。集中して役に入っている印象だ。

「いつもそんな感じですよ。今作では柳楽さんは、子役たちと仲よくならないようにしているんです」

教えてくれたのはドラマ関係者。

「役柄ゆえです。厳しさも持つキャラクターで、生徒たちとは一定の距離を保たねばならない。制作側とも話し合って、“子役と必要以上にコミュニケーションをとらない”と決めたといいます」

■11歳長女にも厳しく接する父の顔

柳楽が子役と距離を取るのには、別の理由もありそうだ。

「柳楽さんも子役出身。自分の経験から子役とどう接するべきかについては思うところがあるのでは」

そう話すのはある芸能関係者。

14歳のとき、カンヌ国際映画祭史上最年少で最優秀男優賞を受賞した柳楽。当時の心境をのちに次のように明かしたことがある。

《スタッフが気を遣って椅子や飲み物を持ってきれくれるんです。中学生の子どもにですよ。(中略)10代でそんなに特別扱いされては勘違いしてしまって、自分で成長しようという気持ちにならなくなってしまう》(『週刊現代』’14年11月15日号)

「周囲から異様にちやほやされる状況に子供ながらに“このままでは自分はロクな大人にならない”と感じていたようです。そんな経験から、子役には、あえて甘い顔を見せないようにしているのかもしれません」(前出・芸能関係者)

ちなみに同様の考えからなのか、私生活でも“厳しいパパ”だという。柳楽の長女は、ちょうど今回の子役たちと同世代の11歳だが、

「『挨拶の声が小さい』とか『ちゃんと宿題をしなさい』とか、父親としてきちんと注意するそうです。ゲームなどで遊ぶときも、子供だからといって手加減せず真剣勝負なんだとか(笑)。お子さんも来年中学受験をするそうですよ」(柳楽の知人)

本誌が目撃した撮影の終盤、柳楽は、一人寂しそうに歩く子役の女の子の後ろ姿見つめていた。そして、カットがかかると、ホッとしたような表情にーー。俳優の先輩として、同世代の子を持つ父として、子役たちを見守る気持ちが垣間見えた瞬間だった。