節約をして貯金や資産運用にお金を回すことは素晴らしいですが、度を超すと、まわりにいる人たちから呆れられてしまうことも少なくありません。また、今回お話を聞かせてくれた本木正弘さん(仮名・28歳)のように、節約が迷惑行為と化している可能性もあるので気をつけましょう。

節約
※画像はイメージです(以下同じ)

余裕すぎる?小遣い稼ぎイベント

「小さい頃から貯金が趣味で、いつの間にか節約にもハマっていました。月の給料は手取りで20万円ぐらいでしたが、地方で家賃が安かったこともあり、半分ぐらいは貯金していました。女性やファッションゲームや車には興味がなく、貯金や節約をしているときに高揚感があったんです。まさに、趣味だったし、生きがいでした」

 貯金がある程度の金額になると、今度は投資信託やiDeCoなどもはじめ、順調に資産を増やしていた本木さん。ある日、親戚に頼まれ、親戚の子供である未来ちゃん(仮名・小学3年生)と1日を過ごすことになります。

「面倒を見たらお金をくれるというので、喜んで承諾しました。親戚とは実家が近いこともあって、僕が1人暮らしをする3年ぐらい前、未来が小学校に入るちょっと前ぐらいまでは、時々お小遣いをもらって面倒を見ていたんです。だから、余裕の小遣い稼ぎイベントぐらいに思っていました

ドリンクバーの調味料をポケットに

レストラン

 再会した未来ちゃんは、以前よりもさらに明るくハキハキとした様子で好感が持てたとか。2人は、ブランクなどなかったかのようにすぐ意気投合。午前中は本木さんのマンションでゲームして過ごし、お昼にはファミレスへ行きました。

「『お昼はファミレスで食べてね』と、別でお金をもらっていたんです。しかも、ランチに支払って、余った分のお金はもらえるということでした。なので、未来にはキッズランチを頼み、僕もランチだけにしたんです。子供はキッズドリンクと言って無料でドリンクバーが付いてくるので、僕だけでもドリンクバーを我慢しようと思って」

 ところが本木さんは、未来ちゃんとドリンクバーを入れに行ったついでに、おしぼりを余分に取り、ガムシロップや砂糖などもポケットに入れて持ち帰ろうとします。それは、外食に出かけたときの本木さんにとって、ごくごく当たり前の行動でした。

「でも次の瞬間、『えーっ? そんな大量に砂糖とか取って、どんだけ飲み物を頼むつもりなのっ?』と、未来が驚いた様子で聞いてきたんです。大声で尋ねられ、ドリンクバーの近くに座っていた人たちの視線が一斉に僕に向きました。めちゃくちゃ焦って、つい反射的に『飲み物は注文しないんだけど……』と小声で答えたんです」

小学生の質問に赤っ恥

 そして、それ以上は何も聞かないでほしいという合図を送るため、唇の真ん中に指を1本あてたのだとか。でも、未来ちゃんの質問攻めは続きます。

「もう何も聞かないでほしいという僕の意図は未来には全然伝わらず、『ん? 飲み物を頼んでもいないのに、砂糖とかいっぱい取ってもいいの? 取っていいのは、お店で使う分だけじゃないの?』と、悪気なく続けて聞いてきたんです。しかも、声が大きいの!」

 さらに、その様子を見ていたスタッフが、ツカツカと歩み寄ってきます。そして、「すみません。そちらに置いてあるシュガーなどはドリンクバーを利用する人のために置いてあるものです。それから、おしぼりは使う分だけにしていただければと思います」と注意され、恥ずかしい思いをすることに。

行き過ぎた節約は周囲にも評判悪い

趣味

すみませんと小声で謝って、そのあとのことはよく覚えていません。覚えているのは、運ばれてきた料理を一気にかきこみ、未来を急かして自宅に戻ったという大まかなことだけです。ホントに、顔から火を吹くぐらい恥ずかしかったです」

 悪気なくシュガーなどを大量に持ち帰っていた本木さんは、未来ちゃんを送り届けたあともモヤモヤした気持ちがおさまりません。ファミレスでの出来事を話して愚痴でも言おうと、友達同士で作ったグループLINEアクセスします。

「でも、ファミレスでの出来事を書いたら、『俺も前から言おうと思っていた』『砂糖とか大量に持ち帰るのは迷惑行為』などと、ものすごい勢いで返信が来たんです。それで、やっと自分の節約が度を越していたことに気づきました。いまも貯金や節約は趣味ですが、やり過ぎないよう注意しています」

 一連の出来事があり猛反省することになった本木さんですが、いまは、あの出来事があってよかったと思っているそうです。自分では「普通」だと思っている趣味も、周囲の人たちを驚かせているかもしれませんときどきは立ち止まって、自分の趣味について振り返ってみることをおすすめします。

TEXT/山内良子 イラストカツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

-[若者の「趣味で痛い目に遭った話」体験談]-

【山内良子】

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です