オリオン座流星群は10月にピークを迎えるが、全流星群の中で二番目に速度が速い流星群だ。そのため、流星の尾っぽが残る確率(有痕率)が高いことでも知られている。そんな長い尾っぽの撮影に成功したフォトグラファーが話題だが、その裏には凄まじい努力があった。

【画像】奇跡のベストショット


■努力がもたらした奇跡

フォトグラファーの関岡大晃さんが、この写真の撮影に成功したのは昨年の10月24日午後10時頃。場所は大台ケ原(奈良県吉野郡)で、この場所には昨年と今年にかけて約30回ほど通ったという。

流星

ベストショットに成功した日は2日間にわたって撮影し続け、500枚のうちの1枚が奇跡的な写真となった。写っている木道の構図が一番好きということだが、過去にボツになった写真は数千枚にのぼる。


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■独学で習得

関岡さんの写真歴は6年で、撮影技術はほぼ独学で学び、インスタグラムでつながった友人などにも教えてもらうこともあるそうだ。年間では毎年平均40回ほど撮影に出かけている。

星空

「私がベースにしている和歌山県は冬によく晴れるので、その期間は足繁く通い、年間ストックの7割程度を撮りためる」と関岡さん。

■美しさに涙

星空の魅力については、「何といっても、その美しさ。天の川銀河は見ても撮っても楽しい」と話す。空が澄んでいる日には、星を何百回と撮影しても、その美しさに涙することもあるという。

星空

関岡さんが今までに見た中で最も大きな流星は、頭上を15秒程度流れながら爆発したそうだ。「あまりに近くて自分のところに落ちてくるのではないかと思った。その衝撃は今でも忘れられない」と語る。


■ワールドワイドなつながり

今回のような大火球の撮影に成功すると、地球の反対側にあるブラジルのカメラ仲間から、祝福のメールが届くという。「ワールドワイドにつながれることも、星空撮影の魅力。ぜひ直接きれいな星空を見に行ってほしい」と話す。

星空

最後に今後の夢については、「プロの星景写真家になりたい。世界中の美しい星空をカメラに収めるためには働きながらでは難しいかも知れない。貧しくなってもいいので、『やり切った』という人生にしたい」と熱く語った。


■奇跡のベストショット

とんでもない流星撮影に成功したフォトグラファー 「数千枚がボツになった」