今月31日はハロウィン。毎年仮装した若者が大挙して押し寄せ“大騒動”となっている東京・渋谷では、29日(金)夜から警備体制を強化する予定だ。しかし一抹の不安も…。
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■29日から警備強化
「渋谷区でもコロナ陽性者がとても減ってきている。しかしこの時期、大々的に夜通しの大騒ぎが起きてしまうのは避けたい。地元町会などの声を伺いながら検討を続けており、今年も昨年並の規制を敷く」と説明し、警備や事前アナウンスなど昨年同様約1億円の対策予算で臨むこと、さらには前々日である29日から警備、見回りを強化することを明かしている。
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■新施策は「なし」
一方で「新たに加わった施策はなく、去年と同様。新たに変わったものといえば(昨年スタートした)バーチャル渋谷のコンテンツ」と、その対策についてはいささか心細さも。
「自宅で楽しめるハロウィン」として渋谷区は、地元観光協会、KDDIら参画企業で完成させたアプリ「バーチャル渋谷」に期待を寄せるが、昨年の状況を見るとその効果は限定的とも…。
■現状は「いたちごっこ」
アプリでは色々なライブコンテンツが用意されており注目度が高いが、2020年のハロウィン、渋谷には大阪や名古屋などから「渋谷のハロウィンを体験したい」と“遠征”してきた若者グループも多く存在しており、アプリが代わり…とはならなかったのも事実。
打てる手は限られている。現在の条例では仮装する若者を排除することはできず、「路上飲み」を解消するため、周辺19社、42店舗の量販店、コンビニ、個人店に酒類販売自粛を要請した上で、29日(金)夜から1日までは、条例施工規則による「路上飲酒制限」を敷くが、これも「罰則はなく指導員による口頭での注意」(渋谷区土木部管理課)だけに留まる。
長谷部区長も会見で「昨年は多くの方に効いたが、注意をしてもいたちごっこな側面もあった」とこぼしており、そのルールをしっかり守れるかは訪れる人たちの倫理観に委ねられそうだ。
■今年は「悪因」重なる
冒頭の写真は、昨年のハロウィン当日、センター街で撮影したもの。まるで通勤ラッシュ時のように人流が滞留。夜遅くになるにつれ、警備員や警察官による「立ち止まらないで!」というアナウンスがこだましていた。
会見で長谷部区長は「昨年は自粛の呼びかけにかなり呼応してくれた方が多かった。ほとんど仮装する方もいなくて、静かな街だったと思います」と回顧していたが、あの状況を「静かな街」と見るのは無理がある。
今年のハロウィンは昨年の土曜日と違い、日曜日。さらに緊急事態宣言明けとあり、かなりの人出が予想される。果たして混乱なき週末になるのだろうか。
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