アニメ「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-」の上映を記念し、東京・新宿ピカデリーでトークイベント「ヤマトーク」付きの上映会が開催された。

「宇宙戦艦ヤマト2205 前章」第1回ヤマトーク付き上映会より

第1回となる10月28日は、安田賢司(監督)、福井晴敏(シリーズ構成・脚本)、MCに岡秀樹(脚本)が登壇し、濃密なトークを展開させた。さらに、イベントでは2022年2月4日の上映開始に先駆けて「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-」の冒頭11分の映像も上映された。

まずは、上映開始から3週間が経った「前章 -TAKE OFF-」の反響について、安田は「原作やリメイクシリーズを見てきたファンの方に受け入れられるか不安でしたが、多くの方にご覧いただけて驚いています。良い"旅立ち"になりました。」と安堵した様子を見せた。

2205」の物語を練り上げていったシナリオ会議は、毎回安田・福井・岡のほか、設定考証、メカニカルデザインなど10人以上のスタッフが集まり、長い時間をかけて行われた。安田は「これほど大人数でのシナリオ会議は初めて」と語り、贅沢なメンバーでおこなわれる形式に驚いたという。

福井は「ヤマトをよく知る"ヤマト賢者"たちからアイデアを募り、議論しながら自分の考えと擦り合わせする必要がありました」と説明した。岡は「本作をご覧になったファンの方が、原作に対するリスペクトを感じたのは、"ヤマト賢者"の存在が影響しているかもしれないですね」と分析した。

次に、Twitterで募集したファンからの質問に回答した。テーマは「#今さら聞けない2205」。「安田監督の持ち味を一言で表すと?」という質問に、福井は「色々なところに気を回し、細かい部分まで詰めてくれる。"艦載機"のような存在です」と答え、岡は「リテイク指示を出す際も、現場を混乱させないよう我慢強くタイミングを見計らっています。"波動防壁の使い方がうまい艦長"という印象」と評した。

ヤマトが発進するシーンで、土門竜介が操縦桿を引けなかった理由は?」という質問に福井は「このままヤマトを座礁させてしまおうかという思いもよぎるが、(自分の)父のことを思い返し、そんなことをしても自分の気は晴れないと思い至る。さまざまな思いや葛藤から、ある種パニック状態になったのでしょう。土門がヤマトに乗り込んだ理由の根源に立ち返った瞬間です」と、土門の胸中を明かした。

そして、「後章 -STASHA-」の冒頭11分を上映。安田は「前章 -TAKE OFF-のラストでヤマトが颯爽と登場したので、その勢いを損なわないよう意識しました。特に、コスモパイソンの機動力を魅せられるよう工夫しました」と、迫力満点の冒頭シーンに込めた思いを語った。

最後に、安田と福井の挨拶でイベントを締めくくった。

安田 「前章 -TAKE OFF-」が多くの方に楽しんでいただけたことを実感し、感動しています。「後章 -STASHA-」は驚きの展開が待っていますので、楽しみにしていてください。

福井 古代がどのように人間的な復興を遂げていくかが、「後章 -STASHA-」のひとつの柱になっているのでご注目ください。今後とも応援をよろしくお願いします。

「宇宙戦艦ヤマト2205 前章」第1回ヤマトーク付き上映会より/(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2205製作委員会