中国人が誇る中国高速鉄道は、総延長距離や営業速度などで世界一となっている。高速鉄道車両も自前で製造しているが、それでも100%中国産という訳ではないようだ。中国メディアの騰訊はこのほど、「中国高速鉄道が国産100%でない理由」と題する記事を掲載した。

 記事は、中国高速鉄道は100%の国産化を実現できていないとし、外部からの調達に依存している部品があることを紹介。そして、その部品は「軸受」であると紹介した。軸受の原理は簡単だが、高精度の軸受を製造するのは簡単なことではなく、世界でも日本などごく少数の国しか高精度の軸受の製造技術を持っていないと強調した。

 中国は製造大国であり、軸受の生産規模も世界トップレベルだが、先進的かつ高精度の軸受となるとそのシェアは非常に低いのが現状だと記事は指摘した。精密軸受の技術要件は非常に高く、わずかの誤差で製品寿命が大幅に下がるため、長寿命が求められる高速鉄道車両の部品には、極めて高い品質が求められると説明した。

 中国高速鉄道はすでに一部で中国産の軸受を導入したとのニュースが伝えられているが、軸受は高速鉄道車両全体からすると小さな部品に過ぎないが、輸入に依存している以上、中国高速鉄道は国産100%にはならないのが現状であると伝えた。

 高速鉄道に限らず、あらゆる製品において「部品まで含め、すべてを国産化」を実現するのはグローバル化が進んだ現代においては非常に難しいことだ。中国では何事においても国産化にこだわる傾向が強まっているが、これは米中対立によって半導体チップなどの調達が難しくなったことが背景にあるのだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

国産100%でない中国高速鉄道、一体何を外部に依存しているのか