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 スペインカナリア諸島ラパルマ島にあるクンブレビエハ火山は、9月から噴火を続けており、現在もその被害がますます広がっている。

 火山噴火に巻き込まれたのは人間だけでなく動物たちも同様だ。前回、「特攻野郎Aチーム」を名乗る謎のチームにより取り残された犬たちが無事救出されたことをお伝えしたが、今回、猫を救ったのは救急隊員の男性だ。

 灰を吸い込み心肺停止に陥った野良の子猫が発見され、軍の緊急対策部の救急隊員が、懸命に心肺蘇生法を行ったところ、猫は無事、息を吹き返したという。

【画像】 火山噴火に巻き込まれた野良の子猫を発見

 9月19日の午後3時24分頃、スペインカナリア諸島ラパルマ島にあるクンブレビエハ火山が50年ぶりに噴火した。

 周辺では地震が続いたこともあり、噴火によって流れ出した溶岩は近くの町を完全に飲み込み、広大な地域にわたり家屋など1100棟が破壊され、7000人以上の住民が避難を余儀なくされた。

 被害は甚大で、現地ではスペイン軍の緊急事態対策部隊(UME)が出動し、救助に奔走中だ。

 火山の影響により破壊されたラグーナで救助活動を行っていたUMEのファン・カルロス・ヌニェス伍長は、ある1匹の野良の子猫が噴火に巻き込まれ、意識を失った状態でいるのを発見した。

救急隊員に心肺蘇生法を施された子猫、息を吹き返す

 子猫は、大量の煙と灰を吸い込み、心肺停止ショック状態に陥っていた。

 ファンさんは、プラスチックのフィルター越しに猫の口に酸素を送り込み、胸をマッサージして心肺蘇生法を懸命に施した。

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 1分ほど続けても、子猫は何の反応も示さなかったが、それでもファンさんは諦めることなく蘇生を試みた。

 すると、数分経ってついに子猫は意識を取り戻した。

 その後、ファンさんとUMEチームは、破壊された町の名にちなんでラグーナと名付けた子猫を獣医院へと運び込んだ。

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 獣医院では、噴火に巻き込まれた多くの動物たちの治療で大忙しだったが、子猫もそこで治療を受けることができた。

子猫は新たな家族の元へ

 それからもファンさんは、助けたラグーナを忘れることができず、自ら引き取りたい気持ちになったが、任務の救助活動が終わればいずれラ・パルマ島を去らなければならない身だった。

 しかし、そんなファンさんが安堵する出来事が起こった。ラグーナが、新しい家族に迎え入れられることになったという。

 地元メディアが伝えたところによると、現在ラグーナは新しい飼い主のもとで、順調に回復しているそうだ。

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 なお、クンブレビエハ火山の噴火は、今後3か月は続く可能性があると専門家は述べている。

 スペインの政治家からは、38日も溶岩が流出し続けていることから、火山への爆撃を提案する声もあがっているという。

 ちなみに、現時点では噴火による影響を受けた死者は幸いにも出ていないということだ。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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火山噴火に巻き込まれ心肺停止に陥った猫、救急隊員の蘇生で生き返る