千葉大学病院(病院長 横手幸太郎 千葉市中央区亥鼻1-8-1)は、公益財団法人日本財団(会長 笹川陽平 東京都港区赤坂1-2-2)、および株式会社千葉銀行(取締役頭取 米本努 千葉市中央区千葉港1-2)のご支援を受け、「走るER※1」エクモカーを導入し、 11月1日(月)に寄贈式を開催しました。エクモカーは、他施設からのECMO (体外式膜型人工肺)装着患者の搬送や、救命のために緊急処置が必要な患者用の移動式診療スペースとして、また、災害時には現場に急行するDMAT( Disaster Medical Assistance Team / 災害派遣医療チーム)専用車両として活躍します。なお、ECMOを搭載する専用車両としては、県内初導入となり、国産のECMOストレッチャーは日本初搭載となります。

  • 走るERの特徴 ※ERとは、Emergency Roomの略で救命救急室という診療スペースの意味。
重症な患者さんを安全に搬送するために、モニタリング機器を車内に配置し、緊急時には360度から治療が行えるように広くスペースを確保しています。患者搬送に加え、開胸や開腹手術ができるようにライティングにも工夫をしており、出動現場で救急室さながらの救命活動が可能です。
  • 日本初!国産ECMOストレッチャー搭載
日本初となる国産ECMOストレッチャーは、競技用車椅子を開発するメーカーが製作を担当。従来の海外製ECMOストレッチャーに比べて、医療機器の配置調整などのカスタマイズが自由にでき、医療現場で円滑な救命活動を行える設計となっています。また、純国産であるメリットとしては、国内でメンテナンスを行えるため、タイムラグを短期間に抑えることができます。
  • DMAT活動にも運用
大規模災害や多数傷病者が発生した事故現場へ駆けつけるDMATとしての運用も視野に入れた、汎用性の高い設計になっています。車体は、エクモカー市場で主流のトラックタイプではなく、マイクロバスタイプにすることで走行性能を高めて、道路事情が悪い中での長距離移動でも揺れを抑えることができ、患者さんと医療者の負担を軽減することができます。最大2名の患者さんと運転席に2名、医療者5名の最大9名が乗車できます。また今後は、移動中に病院との情報連携を可能にする通信設備も導入予定です。

【横手幸太郎病院長のコメント】
このたび日本財団様、千葉銀行様にご支援いただき、大変感謝申し上げます。コロナウイルス感染症との闘いは、2年弱経ったいま、ワクチン接種の普及や治療法の確立により、ようやく光が見えてきました。高度医療を提供するという大学病院の役目をしっかりと果たすべく、エクモカーを活用することで、今後も様々な課題に柔軟に対応し、千葉県における医療の最後の砦として地域医療に貢献してまいります。
11月1日(月)エクモカー寄贈式(左より)佐久間英利 千葉銀行取締役会長、尾形武寿 日本財団理事長、横手幸太郎 千葉大学病院長、中田孝明 同院救急科長、熊谷俊人 千葉県知事

エクモカー(製作:株式会社ベルリング)

回転式シートは折りたたむことも可能で、処置スペースを広く確保するこができ、患者さんへの安心安全な医療の提供につながります。

日本初の国産ECMOストレッチャー(製作:株式会社オーエックスエンジニアリング)
国内自社工場で製作されるECMOストレッチャーは、医療者の要望に合わせてカスタマイズが可能です。酸素ボンベを固定する器具や、ストレッチャーの取っ手部分の高さなど、各寸法と附属品の取り付け位置や数を、医療者の使い勝手に細部までこだわり、患者さんに安全な医療の提供が実現できます。

配信元企業:国立大学法人千葉大学

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