いわゆる“コロナの影響”で、接触の機会となるイベントを実施するのが難しくなっていたこの2年間。現在も緊急事態宣言が解除されたとはいえ、リアルイベントの機会はまだまだ以前のように取り戻せてはいないが、アイドル界ではアクリル板越しやオンラインでのイベントなどが格段に増えていった。これらの環境の変化について、アイドル側のメンバーはファンとの距離感や現在の状況についてどんな気持ちでいたのか、コロナ前後での仕事環境はどうなのか。個々が身を置く環境や状況によって千差万別だろうが、今回、恵比寿マスカッツのメンバーである石岡真衣と山岸逢花に話を聞いた。

【写真】フォロワー40万超えのセクシー女優・山岸逢花

■ファンともメンバーとも会う頻度が減り…

グラビアアイドルとして活動している石岡は、2015年にマスカッツに加入した。以前は、楽曲のリリースイベントや年に2回のライブなどでファンに会えていたが、リアルイベントは実施できなくなり、また現在は30人の大所帯グループということもあって活動には制限があるようだ。

「2020年の年末に予定していたライブが中止になって、今年はオンラインライブのみで、マスカッツファンの方にはずいぶん会えていないですし、ATMというユニットも目の前でお披露目できていないのも心残りです。あとメンバーに会う頻度も減りました。番組で、自宅からテレビ電話で出演する『自宅王』という大喜利企画があるんですけど、プレッシャーがすごくて、スベると『私何してんだろ』って気持ちになるので本当に苦手です(笑)。それもあってコロナの影響が早く終わってほしいです。スタジオだともしスベッてもメンバーと励まし合えるので気が楽ですね(笑)」

■収入は意外と減ってはいない?

石岡個人の活動自体も、コロナ前後で変化があったという。

「打ち合わせも全部リモートになりましたね。今年10周年だったんですけど、予定していたイベントや毎年行っていた誕生日オフ会もできなくて。あとは、競馬やボートレースの番組きっかけで、地方でトークショーイベントもやらせてもらっていたのですが、それもなくなって。各地のファンの方に会ったり、おいしいご飯を食べて帰るのが楽しみだったのに…」

人の集まるイベントなどの仕事量は減ったと話すが、収入としては大きなマイナスはないと明かす。

「意外と減ってはいないんです。グッズやチェキ、フォトブックを企画して通販でお届けしたり、しっかり対策をした撮影会に参加したり。なので、公表している家賃75000円はきちんと払えています(笑)。あと、マスカッツの“貧乏ユニット”メンバーになったことを機に、逆に貯金しなきゃって奮起して、当時よりちゃんと貯金するようになりました」

■常にスマホで見らえる分、距離の近さも

現在のファンとの距離感や、今の状況について思いを聞くと意外な答えも。

「マスク越しだと表情が全部見えなくて、時々不安な気持ちも少し感じてしまうので、マスクのない世の中に早く戻ってほしい!リアルイベントで、私が把握できてない自分のスケジュールを逆にファンの方から教えてもらう時が愛を感じる瞬間なんですけど、また感じたいですね。

SNSはもちろん、マスカッツのファンクラブでもオンライントークやデジタル写真が届けられるようになることもあって、実はファンの人と近づける気もするんです。毎日ほぼ必ず使うスマホで見てもらえますし、今の方がある意味、距離が近いかも…という気もしています」

10周年を迎えた今、改めて新しいことに挑戦したいと語る石岡。SNSでも趣味などをアピールし、仕事に繋げられたらと話す。

「10周年で肩の力が抜けました。演技は苦手だったんですけど、マスカッツメンバーで俳優に転身する川上奈々美ちゃんや舞台女優の藤原亜紀乃ちゃんが見に来てくれた舞台を褒めてくれて自信になったので、今後も続けていきたいですね。

他にも、野球観戦が好きで地元の名古屋も大好きなのでそれに関わるお仕事ができたらいいなと思います。あとは、このお仕事を始めるきっかけになった小倉優子さんが憧れで、今の彼女のように多くの女性ファンにも応援してもらえるようになるのが目標です」

■業界的に増えたバラエティー番組などへ多数出演

本業はセクシー女優として活動し、2020年にマスカッツに加入した山岸は、Twitterのフォロワー数がコロナ前後で数十万ほど増えて現在40万フォロワー超。知名度が高まったこともあり、仕事量は2倍に増えたと話す。

「以前は本業の撮影、グラビア、リリースイベント、配信…くらいだったのが、業界全体としてバラエティー番組などが増えてそこに出演させていただく機会がすごく増えました。毎月10日前後だったお仕事が、今は倍くらいになって、収入は1.5倍くらいになったかもしれません。フォロワー数のおかげで思ったより名前を知ってもらえていることも増えて、トレカNFTなどのお仕事をいただけたり、番組MCをやらせてもらえるようにもなったり、と相乗効果に繋がっている気がします。

マスカッツとしてはリアルライブが出来なかったり、メンバーさんと過ごす機会は少ないと感じたりすることもありますが、ライブはもちろんマスカッツファンの方が私の個人イベントに来てくれた時は加入した実感もあってうれしかったです」

さまざまな活動の中で、マスカッツの一員として、アイドルとして活動する意味についてこう語る。

「最近自分でもアイドルという存在のすごさを実感してるんです、“癒やし”の存在で、めちゃくちゃ元気をもらえますよね。私もマスカッツの一員として、応援してくれる方から力をもらいながら、元気を与えられる存在になりたいです。

アイドルらしいかわいい雰囲気とか、時にはしっとり大人な雰囲気とか、今後ファンクラブなどを通して見せていけたらいいなと思います」

■ファンとの交流の仕方で感じる時代の変化

発信する場が増え、ファンからの反応が聞ける機会が多くなり、それが自身の活力にも繋がっていると明かす。

「マスカッツへの加入や、番組など多くのコンテンツがあったおかげで、ファンの皆さんが私の情報を追ってくれて、SNSや配信の時に『見たよ』ってコメントをくれるから、収録の日は『頑張ろう』って思えるし、会えるイベントが久々にできた時も“久しぶり感”があまりなかったんです。だから距離が離れた感じはしなくて。交流の仕方という意味で、時代が変わったなって感じはします。いろんなツールで交流できるんだなって」

コロナ禍を経て交流の変化も起こり、自身の仕事や発信の仕方にも変化を感じているという。

「自分のありのままを受け入れてくれる人がいるんだなって感じたんですよね。今年いろんなお仕事をさせていただくようになって自信もついて、セクシーな自分だけじゃなく、いろんな自分を表現してもいいんだって。業界としてもYouTubeが流行っていたり、皆さん“AV女優の誰か”じゃなく、一人の人間として活動している流れは感じます」

その流れに乗り、人となりを伝える方法として、文字と写真のみのSNSの他、テンションや熱を伝えたいと音声配信を始めたり、ゲリラ生配信を行ったりと、多様な形で自身を発信している山岸。

「作品や番組出演だとお仕事のAV女優の顔、自分で勝手にやっている配信だと普段の私の顔、そしてマスカッツでのアイドルの顔とか、いろんな側面を知ってもらってそれぞれギャップを見てもらえると面白いのかなって。そのためにまず、人として興味を持ってもらえたらって思うんです。

例えば最近、バラエティー番組でプレッシャーに感じることが多くて。オチを作るとか、MCとして場を回すとか…でも楽しんで自信を持って仕事をしていくのが、見てる人も一番良いんだって吹っ切れたんですよね。そういった自分の思いや一日の出来事を共有して、その輪が大きくなってみんな生きやすい日々を送れたらいいなって考えていて。

自分が感じる幸せを周りに広げていって、みんながそれぞれ自分で見つけた幸せを感じてほしいなって思います」

マスクやアクリルシート、あるいはオンラインなど物理的な距離の隔たりはあっても、気持ちの距離感としては近づいた印象を持つという話が聞けた。デジタルコンテンツやオンライン上で交流を深めながら、直接元気をもらえる対面イベントが通常通り戻ってくる時を待つと良いのかもしれない。

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