2020年、コロナウイルスの世界的な流行とともに始まった新時代の国際協働プロジェクト「テラジア|隔離の時代を旅する演劇」。お寺で上演するための演劇『テラ』を基に、アジア各地で現代の信仰や死生観をテーマとしたシリーズ『TERA』を展開しています。
そして2021年11月、日本、タイ、ベトナムミャンマーインドネシアのアーティストたちによる作品やトーク映像を完全オンラインで連続公開する10日間のミニフェス「テラジア オンラインウィーク2021」を開催します。

会期:2021年11月19日(金)~28日(日)
会場:テラジア オンラインウィーク2021 特設サイト(https://terasia.net/event/onlineweek2021/)
主催:合同会社UPN
助成:国際交流基金アジアセンター アジア・市民交流助成
コンセプト:TERASIA

▲『テラ 京都編』ティザー映像

  • 虹かくれてみえず? −主催者メッセージ
11月下旬は、日本の古い暦で「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」といわれ、弱い太陽光線と乾燥した空気のもとで虹がなかなか姿を現さないことを意味します。
今日、虹が見えないとはどういうことでしょうか。 ——先行きが見えない、希望が見えない、型にはまって多様性にとぼしい、リモートでずっと家にいると相手が見えない。見ようとしてはぼんやりと雲が垂れ込めて、見えたかと思えばすぐに消えてしまう。そんな感覚かもしれません。

演劇は、かくれて見えないものに出会うことができる装置です。普段は会えない死者たちやこの世のものならざるものが突然語り出したとしても何ら不思議はない空間で、「見えないもの」の存在を信じることができます。
わたしたちは目まぐるしく移り変わる現実のノイズの中で、ともすればかき消されてしまいそうな淡い光の色と戯れ、この世界の向こう側に橋をかけるように、遠隔の共同創作を続けています。

「テラジア オンラインウィーク2021」では、アジア各地でそれぞれが試行錯誤してきたプロセスと成果を共有し、対話の場を開きます。天気が変わるのを待ちながら、国境を超えてつながり、鑑賞し、おもしろがる10日間。スクリーン上ではありますが、お会いできることを楽しみにお待ちしています!
  • テラジアとは? 国境をまたがずにアジアを旅するTERA×ASIA
東京・浄土宗 西方寺にて(Photo by Hajime Kato)
2018年に東京で初演された演劇作品『テラ』。現代の信仰や死生観をあぶり出したこの作品は、アジア各地のアーティストたちの共感を呼びました。
そして2020年、コロナウイルスの影響下で、地域ごとに独自の解釈・改変を加えた多彩な『TERA』を上演する試み「テラジア|隔離の時代を旅する演劇」が始まりました。

2021年現在、日本、タイ、ベトナムミャンマーインドネシアから、それぞれの国に根差すアーティストたちが参加しています。
各国の『TERA』は共通して、死について、また神仏や霊魂といった不可視の存在について、詩、話芸、音楽、仏教の枠組みや空間の力を借りながら、鑑賞者一人ひとりの価値観に照らして問いかけます。

—わたしたちは何者か。
—何を信じ、どこに向かうのか。
—生きるとは、死ぬとは?

防疫のため国境を越えた移動が制限され、分断が深まるコロナ禍の国際社会にありながら、「テラジア」は土着の思想をあえて色濃く反映させ、互いを尊重し、連帯し、創造する姿勢を貫いています。文字通り、隔離の時代を旅するように、他に類を見ない自由な広がりを続けています。
  • テラジア オンラインウィーク2021 3つの見どころ

「テラジア オンラインウィーク2021」では、アジア各地の『TERA』チームによる試行錯誤のプロセスと成果を、「作品映像」「トーク」「読みもの」の3つのかたちで紹介します。

▲『TERA เถระ』ティザー映像



作品映像
2020年の始動から今までに日本、タイ、ミャンマーチームによって実現したプロジェクトの映像を公開します。

演劇作品『テラ 京都編』
2021年3月に京都の臨済宗 興聖寺で上演された本作をオンライン初公開。東京の浄土宗 西方寺で始まった『テラ』から、2つの地域と2つの宗派のはざまを3年かけて旅し、辿り着いた日本チームの第2作。(要チケット購入)
演出:坂田ゆかり/出演:稲継美保/音楽:田中教順/ドラマトゥルク:渡辺真帆

演劇作品『TERA เถระ』
2020年10月にタイ・チェンマイのパーラート寺院で上演された本作を日本語字幕付きで公開。『テラ』を大胆に解体し、タイ仏教やチベット仏教、北タイの伝統文化や音楽、神話、哲学、瞑想、舞踏、児童文学など死生観にまつわる多様な要素を織り込んだ作品。(要チケット購入)
演出:ナルモン・タマプルックサー/出演:ソノコ・プロウ、グラム・タム/音楽:グリット・レカクン、トーポン・サメージャイ/映像:スパモーク・シラーラック

演劇作品『テラ』リハーサル
2018年に東京で初演され、テラジアの原点となった『テラ』のリハーサル映像。地獄を旅する『テラ 京都編』に対して極楽をテーマとした作品を、『テラ 京都編』『TERA เถระ』のチケット購入者限定で公開。
演出:坂田ゆかり/出演:稲継美保/音楽:田中教順/ドラマトゥルク:渡辺真帆

映像作品『Masking from Death』
2021年2月に起きた軍事クーデターにより演劇作品の計画を遂行不可能となったミャンマーチーム。安全のためアーティストの身元を伏せて行われた参加型アートプロジェクトによって世界中から集まったさまざまな「マスク」を用いた映像作品を公開。
アーティスト:カミズ

トーク
日本、タイ、ベトナムミャンマーインドネシアチームが各国の『TERA』プロジェクトについて語ります。

オープニング:隔離の時代を旅するそれぞれの現在地
テラジアプロジェクト開始から1年半、感染症や政変などの影響を受けながら各地のアーティストが今考えることは。各チーム代表者が、プロジェクトの現在地を共有し、オンラインウィークの見どころを紹介する。
登壇:渡辺真帆、ナルモン・タマプルックサー、カミズ、グエン・ハイ・イェン/モデレーター:田中里奈(興行研究/明治大学助教)

日本チーム 座談会
テラジアの原点となった演劇作品『テラ』を自らアップデートし、2021年3月、『テラ 京都編』を上演した日本チームが、作品の変遷を語る。
登壇:坂田ゆかり、稲継美保、田中教順、渡辺真帆/聞き手:中本千晶(演劇ジャーナリスト)

タイチーム 座談会
コロナウイルスの影響下で当初の想定からかたちを変えて実現した『TERA เถระ』について、上演から1年余りを経てタイチームが作品を振り返り、その軌跡を辿る。
登壇:ナルモン・タマプルックサー、ソノコ・プロウ、グラム・タム、グリット・レカクン、トーポン・サメージャイ、スパモーク・シラーラック

ミャンマーチーム 座談会
2020年にチームが始動したものの、軍事クーデターにより未だ演劇作品として実現してない『TERA Myanmar』に向けて、日本とタイの作品における死生観を分析し、自国のアイディアを語り合う。
登壇:カミズ、ノラ、ラダナー、ングウェ

ベトナムチーム プレゼンテーション
社会主義の影響により多くの人が無宗教を自覚しながらも、先祖を祀る民間信仰と仏教が結びつき、生活に根付くベトナムでは映像作品として『TERA Vietnam(仮題)』を発表予定。在日ベトナム人技能実習生にも連なる作品の構想を語る。
登壇:グエン・ハイ・イェン、リン・ヴァレリー・ファム

クロージング:旅の目的地ーテラジアサミット2023 in インドネシアに向けて
各チームの代表者が10日間のオンラインウィークを振り返るとともに、2023年夏に公演予定の『TERA Indonesia』、同時開催の「テラジアサミット2023 in インドネシア」の構想を発表。ベトナムチーム、ミャンマーチームが2022年に発表予定の新作など、テラジアのこれからを語る。
登壇:ディンドン W.S.、カミズ、グエン・ハイ・イェン、ナルモン・タマプルックサー、渡辺真帆/モデレーター:田中里奈

読みもの
研究者やテラジアメンバー、関係者による、テラジアをより深く知り、味わうための4つの読みものを公開します。
『テラ 京都編』特別寄稿
渡 浩一(日本文化史研究/明治大学教授)
日本仏教、お寺と芸能との歴史的な関わりから『テラ 京都編』を見つめる特別寄稿

『TERA เถระ』字幕の裏側から
千徳美穂(日タイ舞台芸術コーディネーター/『TERA เถระ』日本語字幕担当)
タイと日本の文化の違いを軽やかに飛び越えた『TERA เถระ』を紐解く解説記事

往復書簡:テラとTERAの音楽をめぐって
田中教順/グリット・レカクン
日本とタイの『TERA』音楽家が、互いの作曲や人生観についてオンラインで交わした往復書簡

TERASIAに外部観察者として関わるとはどういうことか?(仮)
田中里奈
2018年以来、『TERA』に注目してきた興行研究者によるコラム
  • 開催スケジュール
11月13日(土)プレイベント
12:00 日本チーム 座談会/タイチーム 座談会

11月19日(金)
12:00 演劇作品『テラ 京都編』/演劇作品『TERA เถระ』(要チケット購入)
21:00 トーク「オープニング:隔離の時代を旅するそれぞれの現在地」

11月21日(日)
20:00 『テラ 京都編』アーティストトーク
21:30 『TERA เถระ』アーティストトーク

11月23日(火)
12:00 ミャンマーチーム 座談会

11月26日(金)
21:00 ベトナムチーム プレゼンテーション

11月27日(土)
15:00 映像作品『Masking from Death』

11月28日(日)
15:00 トーク「クロージング:旅の目的地ーテラジアサミット2023 in インドネシアに向けて」

※特に記載のないプログラムは参加無料
  • 開催概要
会期:2021年11月19日(金)~28日(日)
会場:テラジア オンラインウィーク2021 特設サイト(https://terasia.net/event/onlineweek2021/
主催:合同会社UPN
助成:国際交流基金アジアセンター アジア・市民交流助成
コンセプト:TERASIA
お問い合わせ: terasia.info@gmail.com
  • プレス画像
『テラ 京都編』
『テラ 京都編』(写真撮影:北川啓太)
『テラ 京都編』(写真撮影:北川啓太)
『テラ 京都編』(写真撮影:北川啓太)
『テラ 京都編』(写真撮影:北川啓太)
『テラ 京都編』
『TERA เถระ』
『TERA เถระ』
『TERA เถระ』
『TERA เถระ』
『TERA เถระ』
『TERA เถระ』
『Masking from Death』
Nguyen Hai Yen (Red)/Mùng mung (2019)
『テラ』(Photo by Kazuyuki Matsumoto)
東京・浄土宗 西方寺にて(Photo by Hajime Kato)

配信元企業:合同会社U P N

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