中国では改革開放以降、「子どもを産みすぎないこと」、「道路を整備すること」こそが豊かになるための秘訣だと言われてきたという。道路を整備することは人やモノの移動を促進するうえで確かに重要であり、中国はその重要性をよく認識しているわりには「道路の質はいまいち」らしい。

 中国メディアの百家号はこのほど、豊かになった中国は道路というインフラの整備もずいぶん進んだと指摘する一方、多くの道路は毎年のように補修を行わざるを得ないのが現状であるとし、中国の道路はなぜ日本のような品質を実現できないのかと問いかけている。

 中国は道路やビルを「昼夜を問わない人海戦術」であっという間に完成させてしまう。そのスピードは日本など中国以外の国ではとても再現できないものだ。経済成長の速度も含め、他国には真似できない発展のスピード感は中国国内では「中国速度」と呼ばれているが、記事は「比類なき速度で建設したインフラのなかにはおから工程と呼ばれる手抜き工事も見られる」と指摘し、それは道路においても同様だと紹介した。

 中国には「時間をかけてこそ良い仕事ができる」という意味合いの「慢工出細活」という言葉があるが、半日など短い時間しかかけずに一気に整備された道路に問題が生じるのは当たり前のことだと指摘。近年はスピードより質を重視する風潮が出ているとしながらも、「慢工出細活」とは正反対の態度で仕事をしているからこそ、中国の道路は質が悪く、頻繁に補修が必要になるのだと論じた。

 また、中国では舗装されたばかりの道路を掘り返している光景を目にすることがあるとし、これは地下に埋設してある水道管などの品質が良くないことが原因だと指摘。水道管などに問題が生じれば、舗装したばかりの道路であっても、道路を掘り返して修理する必要があると指摘し、「掘り返しと再舗装」が道路の質を低下させているのは否めないと主張した。

 一方で記事は、日本は「慢工出細活」の態度で取り組んでいるからこそ、こうした問題はほとんど起きないと指摘し、中国はすでに世界第2位の経済大国となったのだから、「中国速度」ではなく、日本のように質を重視する姿勢へと転換していくことが大切との見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

「道路の質」で中国が日本に勝てない明確な理由=中国報道