かつて中国では日本のドラマが人気だった時期もあったのだが、最近は韓国やタイのドラマに押されて存在感がなくなっている。中国のQ&Aサイト・知乎にこのほど、「中国では韓流ドラマやタイドラマは流行っているのに、なぜ日本のドラマは人気に火が付かないのか」と題するスレッドが立てられた。

 スレ主は、日本文化はノーベル文学賞ハリウッド映画などで韓国にはない強さを発揮しているのに、「ドラマの分野では失敗している」として、その理由を質問している。日本の娯楽で中国人に人気なのはアニメくらいで、スレ主自身は「政治的理由というだけではなさそうだ」との見方を示している。

 これに対して多かった回答が、「日本ドラマの内容が変わってきたこと」と、「中国人視聴者のニーズと合っていない」というものだった。日本ドラマは、昔は「ハッピーエンド、努力すれば報われる」、「家庭内のいざこざ」、ないしは「愛情や友情」といった内容が多かったが、最近は医療ものや裁判もの、社会問題に切り込んだものなど重くて暗い話が多く、「説教臭い」と不評のようだ。

 それに、ストーリーが緻密で質が高いのは認めるが頭を使わないといけないので、衣食に満足できるようになったばかりの中国に、こんな高尚な話は難しいとの指摘も多かった。その点、内容の軽快さでも明るさでも「韓国ドラマは中国ドラマに近い」そうだ。

 他には、「日本ドラマが放送されなくなった」ため、見たくても見られなくなったという回答も多かった。1980年代から1990年代にかけて、中国では多くの日本ドラマが放送されたが、2000年前後から日本ドラマの代わりに韓国ドラマが放送されるようになった、などの指摘が見られた。今ではネット配信でも日本ドラマが少ないので、見たくてもあまり見られないという。

 寄せられた回答の多くが、日本ドラマと韓国ドラマを対比させており、今の中国人の間では韓国ドラマの方が人気なのが見て取れる。タイドラマも韓国人や中国人の感性に近くて人気のようだが、「日本ドラマよりも人気」かどうかは意見が分かれるところのようだ。いずれにしても、今の日本ドラマが中国人の好みとあまり合致していないというのは確かなようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

韓国ドラマとタイドラマは人気なのに、中国で日本ドラマが不評なワケ