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生産調整を余儀なくされた10月

執筆:Naojiro Onuki(大貫直次郎

半導体など部品調達の混乱が長引いて、新型車・人気車の供給不足が続いているなか、2021年10月の新車販売の車名別ランキングが発表された。

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登録車については、新型車や定番モデルが販売上位を占める。

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メーカー各社の生産調整が続いた10月。減産で、軽の首位を明け渡したNボックス。 注目の新型車の販売が本格化しているトヨタスズキスバルはどのような結果に?

首位に立ったのは、トヨタヤリス。減産による供給不足で前年同月比43.0%減と落ち込んだものの、全車種で唯一1万台オーバーの1万596台を成し遂げ、16か月連続でのトップにつく。

第2位には、7月に全面改良を実施したトヨタ・アクアが同88.1%増(7643台)を達成し、前月と同位をキープ。

第3位には、9月にSUVモデルのカローラ・クロスを追加設定して他モデルの減産を一部カバーしたトヨタ・カローラ7278台(同29.2%減)を記録し、前月と同位に位置した。

続く第4位には、定番ハイトワゴンのトヨタ・ルーミーが同39.1%減の6999台を達成してランクイン。

また第5位には、4月に全面改良を図ったホンダ・ヴェゼルが同128.8%増(6831台)で入る。

第6位には、人気コンパクトミニバンのホンダ・フリードが同30.5%減(6237台)で、第7位には、8月に上級仕様のオーラの販売を開始した日産ノートが同38.8%増(5502台)でトップ10入りを果たした。

新型車の動向を見ていこう。

新型BRZ、シビック、オデッセイは?

4月に仕様変更を図って2030年度燃費基準に対応したスズキ・ソリオは、前年同月比19.9%増(3058台)を記録して第16位にランクイン。

また、狭山工場の閉鎖に伴い本年12月末に生産終了を予定するホンダ・オデッセイは同2595.7%増(1860台)を成し遂げて第25位に。

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生産終了を予定しているホンダ・オデッセイは、フェイスリフト車が人気。この価格帯のモデルはラインナップから手放したくないところ。

パジェロ製造から岡崎工場に生産を移管した三菱デリカD:5は同64.8%増(1480台)を達成して第27位に位置する。

さらに、7月に全面改良した新型スバルBRZは、同5928.6%増の1266台を記録して第28位に。

9月に販売を開始した11代目の新型ホンダシビックは、同28.3%増の1218台を売り上げて第30位に。昨年10月にフルモデルチェンジしたスバル・レヴォーグは同5268.2%増(1181台)を達成して第32位に。

今夏に一部仕様向上を実施して発売した日産リーフは、同38.4%増(922台)を販売して第38位に入った。

10月の販売台数ランキング 登録車トップ10

1位:トヨタヤリス(1万596台)
2位:トヨタ・アクア(7643台)
3位:トヨタ・カローラ7278台)
4位:トヨタ・ルーミー(6999台)
5位:ホンダ・ヴェゼル(6831台)
6位:ホンダ・フリード(6237台)
7位:日産ノート(5502台)
8位:ホンダ・フィット(5403台)
9位:トヨタ・アルファード(4588台)
10位:トヨタシエンタ(4423台)

軽自動車に関しては、順位が大幅に変動した。

軽の首位 7年ぶりにスズキ・ワゴンR

10月の首位に立ったのは、9月に高いデザイン性とスライドドアの使い勝手を融合させた新バージョンの「スマイル」を追加したスズキ・ワゴンR

前年同月比79.7%増(8808台)を記録して、2014年12月以来のトップにつく。

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スライドドア/トール仕様の追加車種「ワゴンRスマイル」が9月10日に発売されたスズキ・ワゴンR。平時とは異なる状況だが、ランキング上は、先月の3位からジャンプアップ。2位には、スーパーハイトの日産ルークスが入り、先月と同じ順位を守った。

続く第2位には、日産の軽スーパーハイトワゴンのルークスが同23.0%増(8696台)を販売して、前月と同位でランクイン。

22か月連続で首位を守っていたホンダNボックスは、減産による供給不足が響いて同53.6%減(7442台)と第3位に陥落する。

また、トップ3常連のスズキ・スペーシアは同48.4%減(6319台)で第4位、ダイハツ・タントは同63.6%減(4771台)で第8位に甘んじた。

10月の販売台数ランキング 軽自動車トップ10

1位:スズキ・ワゴンR(8808台)
2位:日産ルークス(8696台)
3位:ホンダNボックス(7442台)
4位:スズキ・スペーシア(6319台)
5位:スズキ・ハスラー(5416台)
6位:日産デイズ(5035台)
7位:ダイハツ・タフト(4926台)
8位:ダイハツ・タント(4771台)
9位:ダイハツ・ミラ(4520台)
10位:ホンダNワゴン(4396台)

注目モデルの動きに触れていこう。昨年11月に全面改良したホンダNワンは、同6057.1%増ながら減産の影響もあって431台の販売台数にとどまる。

また、2022年3月での生産終了前にαとβの2タイプの追加生産を本年11月に発表したホンダS660は、同219.7%増(569台)を達成。

さらに、昨年12月に法人ユーザーおよび自治体向けに限定販売を開始した超小型EVのトヨタC+podは、前月より52台多い129台の登録を成し遂げた。

なお、登録車と軽自動車を合わせた10月の車名別ランキングのトップ5は、トヨタヤリスが4か月連続での首位に立ち、第2位にはスズキ・ワゴンRが4ランクアップで位置。そして、日産ルークストヨタ・アクアホンダNボックスの順で後に続き、5か月ぶりに軽自動車がトップ5のうちの3モデルを占めた。


10月の新車販売 ランキングは減産で混乱 ワゴンRにスマイル効果も