日本では公務員は手堅い職業として人気であり、景気が悪くなるとその人気に拍車がかかる傾向がある。だが、日本の職業としての公務員の人気ぶりは中国に比べると「大したことがない」のだという。中国メディアの虎嗅はこのほど、日本人の間で公務員は人気がないようだと主張し、逆に中国でどれだけ人気か伝える記事を掲載した。

 記事はまず、中国で近年、公務員の人気がいかに高まっているかを紹介している。2022年に行われる国家公務員試験の申込者数は200万人超えとなり、過去最高となったという。平均競争率は60倍に達したというが、2021年の日本の国家公務員採用試験(大卒程度・一般職)は倍率3.6倍だったことを考えると、中国で公務員になることがいかに「狭き門」かが良くわかるだろう。

 しかも、倍率60倍というのは中国全土の「平均の数字」」であり、大都市の場合はより厳しい競争となるようだ。2022年国家公務員試験では、北京に申込者が殺到し、北京市の競争率はなんと103倍になったと伝えた。しかしさらに極端な場所もあり、「チベット自治区」の特定の職位は、制限や条件が少なかったことから、競争率はなんと約2万倍と史上最高を記録したそうだ。

 日本からすれば極端な話だが、記事は「公務員という職業に申込者が殺到しない日本のほうが変わっているのだ」と主張した。韓国やドイツでも公務員試験の倍率が高いためで、それだけ「日本の公務員は収入が低く、残業が多いためではないか」と主張する一方、中国では「安定感を求めて公務員になりたがる人が多い」と結論付けている。

 記事の分析が正しいかはさておき、安定が魅力の公務員は、一般的に景気に左右されると言われている。これほど公務員に人気が集中している中国では、それだけ将来への不安が高まっていると言えるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

公務員になりたがらない日本人は「変わっている!」 中国の驚くべき現状とは