2022年3月21日(月・祝)~4月3日(日)東京・東京国際フォーラム ホールCにて(ツアー公演あり)にて、ミュージカルブラッドブラザーズが上演されることが決定した。

1983年ロンドンウエストエンドでの初演以来、世界中で愛されているミュージカルブラッドブラザーズ』。甘美で躍動的な音楽が描くこのスリリングな作品はローレンスオリヴィエ賞作品賞に輝いたことでも知られている。日本でも1991年以来、繰り返し上演されてきた名作だ。

物語の主人公は、二卵性双生児として生まれた二人の男の子。一人は裕福な家庭に引き取られ、もう一人は実の母親と貧しさの中で暮らしていた。正反対の環境で育った二人はお互いが双子であることを知らないまま、人生を通して固い友情を育んでゆく。共にいたずらをした無邪気な子供時代、恋や夢に溢れたまばゆい青春の日々……。そんな血のつながりが生む数奇な人間模様は、観る者を捉えて離さない。

今回、演出を手掛けるのは本作の日本初演のプロダクションにも参加していた吉田鋼太郎。数奇な運命をたどる双子の兄弟・ミッキーとエディを演じるのは、吉田とがっぷり四つに組んだ舞台『スルース』で持ち前の危うさと醸し出す狂気で評価を受けた柿澤勇人と、英国留学後も映像分野を初めとした多彩な活躍で一層注目を集めるウエンツ瑛士。そして、テレビドラマと映画を中心に活躍し、柿澤と共演した『シティ・オブ・エンジェルズ』以来のミュージカル出演となる木南晴夏が加わり、不朽の名作に新たな息吹を与える。そのほか、鈴木壮麻内田朝陽伊礼彼方一路真輝堀内敬子らも出演する。

【あらすじ】
同じ日に生まれ、同じ日に死んだ双子(ふたり)。
これはナレーター(伊礼彼方)が語る、数奇な運命の物語ーー。ロンドン郊外で双子の男子が誕生した。双子の一人であるエディ(ウエンツ瑛士)は裕福なライオンズ夫妻(一路真輝&鈴木壮麻)に引き取られ、 もう片割れのミッキー(柿澤勇人)は、実の母親ジョンストン夫人(堀内敬子)と兄サミー(内田朝陽)のもとで貧しくも逞しく暮らしていた。 正反対の環境で育った二人はお互いが双子であることを知らないまま、7歳で出会って意気投合し義兄弟の契りを交わす。 しかしライオンズ夫人は我が子エディを実の母親にとり返されることを恐れ、ライオンズ一家が転居。 エディとミッキーは今生の別れをしたはずだった。 そのうちミッキーの家が取り壊しとなり、移り住んだ先は偶然エディの家の近く。15歳になった二人は再会し、固い友情を育むようなる。エディとミッキー、そして幼馴染みリンダ木南晴夏)は恋と希望に溢れた青春の日々を謳歌する。 しばらくしてエディは大学に進学。ミッキーは工場に勤め、リンダの妊娠を機に結婚。大人として現実を生きはじめた二人の道は大きく分かれていった。不景気により失業したミッキーは、ついに犯罪に手を染め薬漬けに。議員となったエディはリンダを通してミッキーを支えるが、運命は二人を容赦しなかった…。


演出:吉田鋼太郎 コメント

今回、演出を仰せつかりましたが、そもそも私はこの芝居の出演者でありました。
30年ほど前、グレン・ウォルフォードさん演出の日本初演の舞台でサミー役を演じ、再演、 再々演にも出演しました。
グレンさんは、この芝居は、原作者ウィリーラッセルがその才能の全てを注ぎ込んだミュージカル界の宝物のような作品であり、その感動を是非日本の人々と分かち合いたい、その為には勿論自分のオリジナル演出も尊重してもらいたいが、日本人であるあなた方の独自の意見、発想もどんどん提案して欲しいと仰っていたのを昨日の事のように覚えています。
そうして、グレンを中心に出演者、スタッフ一丸となって創り上げた舞台は、ミッキー役の柴田恭兵さんの名演もあって、本国での上演に勝るとも劣らない素晴らしいものになりました。
あれから30余年。この芝居のひとつのテーマでもある、格差社会が生み出す理不尽な悲劇が更に深刻な様相を帯びているこの時代、30年前に生まれたこのブラッドブラザーズという芝居が、また再び新たな血を通わせ始め、どのような新しい姿を私達に見せてくれるのか。
素晴らしい出演者の方々、そして観客の皆様と一緒に見届けたいと思っております。

(上段左より)柿澤勇人、ウエンツ瑛士、木南晴夏(中段左より)鈴木壮麻、内田朝陽(下段左より)伊礼彼方、一路真輝、堀内敬子