下鎌田小学校ポスター

東京都江戸川区下鎌田小学校と下鎌田西小学校が、学校施設の老朽化や児童数減少などの理由で、2023年度に統合される。そのため、新たな校名を募集したが結局のところ「下鎌田小学校」となり、募集の意味があったのか?などといった声があがっている。

【画像】新校名決定を報告するチラシ


■老朽化と児童数減少

下鎌田小は、校舎が築62年で、下鎌田西小も築48年と老朽化が進んでいる。また、この地域の6~11歳人口は今後10年間で約600人減少する見込みだ。そのため、現在の西小の校舎を壊して、新たに新校舎を建設し、両校を統合する。

下鎌田小の2021年の児童数は306人、下鎌田小が518人で、2023年に統合する小学校の初年度児童数は851人になる見込み。

江戸川区教育委員会は統合によるメリットとして、「新たな児童同士の出会いが増える」、「多様な意見と触れ合う機会が増え、学力や学習意欲が向上する」などをあげている。


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■旧校名と一緒

統合に際して、新たな校名を6月1日から同月18日まで募集し、在校生や保護者、教職員、通学区域の住民から345件の応募が。

校名案164の中から、合同会議で「下鎌田」「下鎌田第一」「下鎌田西」「下鎌田ひかり」「下鎌田みずほ」「下鎌田みどり」「下鎌田みのり」の7案にしぼった。

この7案について、教育委員会で審議し「下鎌田」を校名案として選定。今後区議会の議決を経て、正式決定されるという。

■形だけの募集では?

この件を告知するポスターを見たクリエイターのShigo Azumaさんは、「2つの小学校がかなり近い距離にあるため、統合の結果下鎌田小学校になるのは納得できる。それであればなぜ校名を募集したのか。形だけの募集だったのではないか」と話す。

下鎌田小学校ポスター

また、「校名案の中にあった『下かま田ダブル小学校』が、ずば抜けたセンス。限られた語彙(ごい)の中からの言葉選びが、狙って出せないクリティカルヒットにつながっているのは天性のセンス」と語った。


■審議を重ねて決定

ネット上では、「下鎌田小学校の関係者は納得だろうが、西小卒業生がかわいそう」「統合するのであれば、全く新しい校名のほうがスッキリする」「募集期間が短かったことが、ただのアリバイづくりだとわかる」などさまざまな意見があがっている。

江戸川区教育委員会学校施設課は、しらべぇ編集部の取材に対して「いろいろな意見があったのは事実だが、審議を重ねて決定した。もちろんあらかじめ決まっていたことではない」と述べた。


■キラリと光る校名一覧

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(取材・文/Sirabee 編集部・おのっち

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