生まれつき子宮を持たないロキタンスキー症候群と診断された娘の願いを叶えるため、オーストラリア在住の54歳の母親が代理出産することを決意した。4度目の胚移植で妊娠することができた母親は2022年1月に孫である男児を出産する予定という。『The Sun』『The Mirror』などが伝えている。

豪タスマニア州リリーデール出身のミーガン・ホワイトさん(Meagan White、28)は11年前、生まれつき子宮を持たない稀な疾患であるロキタンスキー症候群と診断された。そのため妊娠や出産ができず、代理出産で母親になる夢を叶えることにしたという。

ミーガンさんは同疾患が発覚した時のことをこう振り返った。

「10代の頃、生理が始まるのを待っていたけど全然来なくて。17歳の時に母と一緒に医師の診察を受け、私がロキタンスキー症候群であることを知りました。つまり私は子宮を持たずに生まれてきたので生理が来ないと。卵巣は機能しているけど妊娠、出産をすることはできないと言われました。でも当時はまだ10代だったのでそんなに深くは考えていませんでした。」

しかし2015年に夫クレイドさん(Clayde、28)と出会ったことで、家庭を持って母親になりたいと思い始めた。

「ありがたいことに彼はいつも私のことを応援してくれました。どんなことがあってもいつかは親になるんだと。それで私たちは代理出産を検討し、2019年1月に代理店を通してアリソンさんというカナダ在住のボランティアの方が見つかりました。そしてその年の9月に現地で会うことができたのです。」

オーストラリアに帰国して間もなく行った1回目の胚移植は失敗しましたが、2回目で成功しアリソンさんは2019年12月に妊娠しました。しかし2020年3月、お腹の赤ちゃんの腎臓が発達していないため生きることはできないと医師に告げられ、妊娠21週で流産しました。みんな心を痛めていたし、私はもう諦めてしまいました。そしてパンデミックのせいで海外への渡航が禁止され、全てが不可能になったのです。」

ミーガンさんの苦しむ姿に心を痛めていた母親マリーアーノルドさん(Maree Arnold、54)は代理出産について調べたところ、自分が代理出産できる可能性があることを知ったという。

そして詳しい検査を受けた結果、医師はそれが可能であると判断した。

マリーさんは「娘のために何でもしてあげたいと思っていましたが、まさか自分が代理出産のボランティアをすることになるとは想像もしていませんでした。なぜなら妊娠するような年齢ではないし、すでに閉経していたからです」と明かし、妊娠に備えて子宮内膜を厚くするための投薬を開始したそうだ。

胚移植を3回失敗した時に「うまくいかないのではないか…」と不安になったと話すミーガンさんマリーさんだが、幸いなことに4回目で成功した。現在妊娠30週に入ったマリーさんは、2022年1月に帝王切開で男児を出産する予定とのことだ。

22年ぶりの妊娠を楽しんでいるというマリーさんはこう語った。

「最初の20週を過ぎた時にはとても嬉しかったし、そこからは自信を持てました。22年前に妊娠した時より明らかに年をとっているし少し疲れも感じています。でも今も芝生を刈ったり家のことをしていますよ。近頃は妊娠する方法がいろいろありますが、この方法も一つの選択肢に過ぎません。これは私にとって特別な経験であり、娘を助けることができて感無量で気分は最高です。家族もみんな楽しみにしているし、孫に会うのが待ち遠しいわ。」

またミーガンさんは「20週までは赤ちゃんのことを心配していたのに、今は母のことを心配しているなんておかしいですね。母への感謝の気持ちは言葉にはできません。母はとても特別な存在です。こんなことを一緒にやってくれる人は他にいないですからね」と述べている。

なおオーストラリアでの代理出産においては2015年、当時53歳だったシドニー在住のアントニエッタ・ディ・マジオさん(Antonietta Di Maggio)が最高齢とされていたが、マリーさんが無事に出産を迎えるとそれを上回ることになる。

画像は『The Sun 2021年11月12日付「THAT’S GRAND-MOTHER I’m 54 and pregnant with my own grandson – I’ve been through menopause but he’s due to arrive in January」(Credit: Caters)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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