最近、テレビやSNS上で猫の動画を見ない日はないと言ってよいでしょう。
その一方、愛くるしい姿を見せる猫に様々な種類があることは意外と知られていません。今回は日本で人気の猫種と、猫の種類を決めている団体についてまとめてみました。

実は雑種の猫が日本で一番多い

雑種の猫が日本に一番多く存在するのは、各種データからも裏付けが取れます。
まず、一般社団法人ペットフード協会「令和2年 全国犬猫飼育実態調査」の「猫 飼育・給餌実態と支出」項目から、「現在飼っている猫」の種類を聞いた結果、回答者(1412名)の75.5%が「雑種」を飼っていると回答しています。

他にも、ペット保険を扱うアクサダイレクト社が運営しているメディアにて、同社のペット保険に加入している猫の種類のランキングが発表されています。こちらも、1位が「ミックス(雑種)」となっており、基本的に日本で飼われている猫の多くは雑種、と言って問題ないでしょう。

比較として、一般社団法人ペットフード協会「令和2年 全国犬猫飼育実態調査」では、雑種の犬を飼っている回答者(1340名)が9.3%にとどまっており、犬はいわゆる「純血種」が主流であることとは対照的です。

猫の品種認定団体は複数ある

では、猫の品種を認定する団体にはどのようなものがあるのでしょうか。主な団体は4つあります。

  • CFA(The Cat Fanciers' Association):本部はアメリカ。世界最大の血統猫登録団体

  • TICA(The International Cat Association):本部はアメリカ。純血種および家庭猫の世界最大の血統登録機関

  • FIFE(Fédération Internationale Féline):本部はフランス。欧州最大の血統登録機関

  • GCCF(The Governing Council of the Cat Fancy):本部はイギリス。CFAの次に古い主要登録団体

これらの団体でそれぞれ猫の品種を認定しており、猫の品種によっては一部の品種認定団体しか認定していないというケースもあります。例えば、我が家で飼っているマンチカンはTICAのみが認定している品種で、認定されたのは1994年と比較的最近のことです。

とはいえ、折れ耳スコティッシュフォールドのように猫自身が痛みを抱えて辛いのが明白なケース以外では、「この団体が認定しているから猫を認める/認めない」というのは個人的には行き過ぎだと思います。

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なぜ日本の猫は雑種が多いのか?

これだけの数の猫品種認定団体が1900年代初頭から存在しているのに、日本において雑種の猫が多い理由として考えられるのは、「かつては外飼いの猫が多く、野良猫を自分の家の猫として迎えていたから」が一つの要因だと考えられます。犬の場合は、致死率が高い狂犬病の媒介になってしまうことから、野犬の捕獲体制が整備された結果、野犬はほとんど存在していません。

一方、野良猫については捕獲に関する法律が存在せず、「地域猫活動」のような自助努力に頼らざるを得ないのが現状です。

譲渡会経由で猫を飼う場合も、基本的には雑種または種類がわからない猫を引き取ることが多いため、ペットショップや、ブリーダー経由で猫を飼う以外のケースでは基本的には雑種の猫を飼うことになるのでしょう。

我が家で飼っているのはマンチカンノルウェージャンフォレストキャットなので、いずれも純血種の猫ですが、雑種の猫もそれはそれで可愛いと感じます。

新たに家に迎える猫については、室内飼いが基本になるので、飼い主自身が満足していて、猫が快適に暮らせる状態を守ることが最も大事でしょう。

参考資料