航空自衛隊10月27日神奈川県横須賀市防衛大学校で、地上配備型迎撃ミサイルパトリオットPAC3)の機動展開訓練を実施した。中国メディアの騰訊はこのほど、この訓練が東アジア全体にとって脅威となると主張する記事を掲載した。

 記事は、この訓練に対して朝鮮中央通信が日本を非難する社説を掲載したことを紹介した。この社説では、日本が某国の脅威を口実にして様々な訓練や演習を行っているが、これは言い訳に過ぎず、実際には軍事大国になろうとしているのであり、このような訓練は日本の軍事化を早めるだけでなく、地域の緊張を高めるマイナスの作用しかないと主張しているという。

 そのうえで記事は、朝鮮中央通信の社説の主張に同意を示した。その理由として、今回の訓練が横須賀で行われたことに注目している。横須賀は、米海軍第7艦隊の拠点となっているだけでなく、最近F35Bの離発着艦訓練を行った護衛艦「いずも」が事実上の空母となるので、横須賀の重要性はより高くなったと分析した。

 そして、事実上の空母を保有することになる日本に対して、周辺諸国は大きな不満と警戒を示しているという。このため日本は横須賀の安全が「脅威」にさらされると主張して訓練を行っているが、これは日本がまいた種であり、「日本が周辺国の脅威とならなければ横須賀の安全が脅かされることはなかったはずだ」と、日本に責任があると主張した。

 このほか、日本が「米国の足にしがみついて」軍事力を拡大させていることにも問題があると論じた。米国は自身の利益を考えて日本に対する軍事的制限を解除するようになっているが、日本もこれを利用して軍事力を拡大しており、これが周辺国には脅威となって緊張を高める結果となっていると主張している。

 結局、記事によるとすべて日本のせいで東アジアの緊張が高まっているということになるが、中国が南シナ海や東シナ海、台湾海峡で海洋活動を活発にしていることや、軍事力を強化していることは棚に上げており、一方的な主張だと言わざるを得ないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国人が「日本のせいで東アジアの緊張が高まっている」と主張する根拠とは