大阪の日本一長いといわれる「天神橋筋商店街」には、ディープなスポットがたくさん潜んでいます。その中には、絶対ハズせないお店があります。その名も『おばちゃんとこ』。子供のころ「ちょっとおばちゃんとこ行ってくる!」と、近所のおばちゃんのおうちにお邪魔していたことを思い出すようなネーミング。『おばちゃんとこ』は「おばちゃん、来たで~」と気軽に寄れる、そんな場所なのです。

暗く狭い路地裏にある『おばちゃんとこ』に潜入してみた!

暗く狭い路地の奥にあります
暗く狭い路地の奥にあります

 場所はこの暗く狭い路地裏にあり、「これは……入りにくい」。さすがに入るのに勇気がいるなと感じました。表には提灯と懐かしさを感じるおばちゃんの看板がありますが、知らない人なら通り過ぎてしまうでしょう。しかし、やっぱりここに行きたい! 勇気を出して路地に入って行きました。

 さて、どんな「おばちゃん」がお待ちかねなのでしょうか。

昔ながらの懐かしい雰囲気の店内とメニュー
昔ながらの懐かしい雰囲気の店内とメニュー

 店内は長いカウンターのみで、町の中華屋さんの雰囲気。厨房にいる2人の男性スタッフに明るく挨拶され、物静かな路地裏とはギャップのある親しみやすさでした。店内にはスーツを着た男性やご夫婦など、地元人が来店している様子。昭和ポップスがBGMで流れているのもほっこりします。

 ランチのメニューは定食やセットがメインで、ラーメンや餃子などの単品もあります。ちなみに夜はメニューがガラッと変わり、名前も「せがれんとこ」に変わるそうです。

 ということで早速、ランチをいただいてみましょう。

「炒飯おにぎり」のセットが想像を超える美味しさだった!

「炒飯おにぎりセット」800円に、「餃子単品」350円を注文
「炒飯おにぎりセット」800円に「餃子単品」350円をプラス

 注文したのは、この店の名物「炒飯おにぎり」が食べられるセット。炒飯おにぎりとは、炒飯を薄焼き卵でくるんだオムライス風の一品。これに「やさいラーメン」がセットになっています。そして、中華屋さん定番の「餃子」を追加で注文してみました。どことなく懐かしさ感じる3種のメニューはボリュームもたっぷりで、食べ応えがありそう!

 まずは気になる「炒飯おにぎり」から。ふんわりした薄焼き卵の中から、彩り豊かな炒飯が現れました。おにぎりと名前が付くだけあり、チャーハンが三角のおにぎり型になっているのも微笑ましい。ハンバーガーくらいの大きさなので、食べ応えがあります。なんと単品だと170円とかなりリーズナブル!

 味付けは濃いめで、これぞ中華屋の炒飯といった感じです。素朴な薄焼き卵と一緒に食べると、濃い炒飯の味も調和されていい塩梅になっていました。お腹が空いていれば、20秒で完食しちゃうでしょう。

「やさいラーメン」は分厚いチャーシューに野菜もたっぷり!

 こちらは、麺が見えないほど野菜たっぷりなラーメン。白菜、にんじんもやし、青ねぎが入り、スープはあっさり塩味に近い感じですが、コクも感じられます。細麺でシャキシャキの野菜と一緒に絡めて食べると旨みが増します。

分厚いチャーシューも旨し!
分厚いチャーシューも旨し!

 チャーシューが2枚入っているのですが、その分厚さと柔らかさに驚愕。野菜だけかと思いきや、チャーシューもしっかり主張してきます。食べ応えがありながら、どこか懐かさが残るやさしい味のラーメンでした。

薄焼きでジューシーな餃子7個入り
薄焼きでジューシーな餃子7個入り

 長細い餃子は薄焼きで、カリッとジューシー。中の具がびっしり詰まっているわけではないのですが、餃子の皮と具のバランスが絶妙でした。

「おばちゃん」不在でもまた立ち寄りたくなる良店

店内にあった「おばちゃん」の写真
店内にあった「おばちゃん」の写真

 実は肝心の「おばちゃん」はもう他界されているそうで、現在は3代目の「おばちゃん」のお孫さんが引き継いでいました。店内に貼ってあった写真の一番前に写っているのが店名由来の「おばちゃん」です。

 古き良き昭和の雰囲気を残す『おばちゃんとこ』は、昔にタイムスリップしたかのような感覚を味わえる店。創業58年を迎えても変わらない味、変わらない世界観で大阪の人々を魅了し続けています。

(撮影・文◎道面 梓)

●SHOP DATA

おばちゃんとこ外観

おばちゃんとこ

住:大阪府大阪市北区天神橋2丁目北-2-23
TEL:06-6357-7832
営:11:30~13:30、18:00~21:00
休:土・日・祝日
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270103/27002267/

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