セリエA第13節、ジェノアvsローマが21日にルイジフェラーリスで行われ、アウェイのローマが0-2で勝利した。

インターナショナルマッチウィーク前に行われたヴェネツィア戦に敗れ、今季初のリーグ連敗を喫した6位のローマ(勝ち点19)。連敗ストップを目指す今節はバッラルディーニを解任し、アンドリー・シェフチェンコを新指揮官に招へいした17位のジェノア(勝ち点9)と対戦した。

チェルシー時代に指導した教え子との初対決となったモウリーニョ監督は、ヴェネツィア戦から先発1人を変更。新型コロナウイルス陽性判定が出たクリスタンテに代わってムヒタリアンを起用した。

共に[3-5-2]の布陣を採用したことで、ミラーゲームの形となった中、個々のクオリティで勝るアウェイチームが優勢に試合を進めていく。

カルスドルプ、エル・シャーラウィの両ウイングバックを起点に幾度か良い崩しを見せたローマは15分、右サイドに流れたショムロドフからの折り返しに反応したムヒタリアンがペナルティアーク付近で強烈なボレーシュートをゴールネットに突き刺す。だが、このシュートはゴール前のエイブラハムの腕に当たってコースが変わったとの判定でゴールは認められない。

その後、ホームチームが徐々に盛り返したものの、依然としてローマペースで試合が進むと、前半半ば過ぎに再びアウェイチームにビッグチャンス。29分、自陣左サイドで相手のプレスを剥がして左サイドのスペースを独走したエル・シャーラウィがボックス内へ走り込むショムロドフに絶妙なラストパスを通す。だが、古巣初対戦のウズベキスタン代表FWはうまくシュートを抑え切れず。クロスバーの上へ外してしまった。

前半終盤にかけては2トップの動き出しの少なさが影響してローマの攻撃が完全に手詰まりとなり、両者中盤での潰し合いに終始するクローズな展開のままゴールレスでハーフタイムを迎えた。

早い時間帯にゴールがほしいローマは後半立ち上がりからパワーを持って試合に入る。前半同様のサイドからのアプローチに加え、2トップへの長いボールを使ってセカンドボールの回収を意識。さらに、ビルドアップが不安定な相手に対して、より前からのプレスを強めてショートカウンターの形からフィニッシュまで持ち込んでいく。

一方、後半に入って防戦一方のジェノアではシェフチェンコ監督が動く。63分にカピターノのパンデフを下げてエルナニを投入した。すると、70分にはこの試合最大の決定機。3バックの左に入るバスケスが意表を突いた攻撃参加からボックス左に持ち込んで高速クロスを入れると、これにストゥラーロが飛び込む。泥臭くボールを押し込みにいったが、ここはうまくインパクトし切れず、GKパトリシオにはじき出された。

再三チャンスの形を作り出すものの、決め切れない状況が続くローマは75分、ショムロドフを下げてフェリックス・アフェナ=ギャンを最初のカードとして切る。すると、セリエA3試合目の18歳のガーナ人FWが大仕事をやってのける。

82分、自陣深くでのヴェレトゥのボール奪取からエル・シャーラウィ、ペッレグリーニ、ムヒタリアンとダイレクトパスが繋がる。そして、エイブラハムの左に流れる斜めのランニングをオトリにクロスする形で中央に切り込んだムヒタリアンがボックス右に走り込むアフェナ=ギャンにラストパスを送ると、18歳FWはゴール左隅へ落ち着き払った右足のダイレクトシュートを流し込んだ。

18歳新星のセリエA初ゴールでようやくゴールをこじ開けたローマは、足を痛めたクンブラやペッレグリーニを下げてスモーリング、ボーヴェの投入で逃げ切り態勢に。一方、何とか追いつきたいジェノアビアンキやブクサと攻撃的なカードを切っていく。

その後、4分が加えられた後半アディショナルタイムに再びローマの新星が特大の輝きを放った。試合終了間際の94分、左サイドで仕掛けたエル・シャーラウィのサポートに入ったアフェナ=ギャンが相手DFの短いクリアを拾って内へ切り込むと、ボックス手前左から見事な右足のコントロールシュートをゴール右上隅の完璧なコースに突き刺し、勝利を決定付けるドッピエッタとした。

この直後に試合はタイムアップを迎え、アフェナ=ギャンの鮮烈なドッピエッタの活躍でシェフチェンコ率いる新生ジェノアに競り勝ったローマが連敗をストップする3試合ぶりの白星を収めた。

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