オランダ遠征をスタートさせたなでしこジャパンのMF長谷川唯(ウェストハム)が23日、メディアのオンライン取材に応対した。

なでしこジャパンは、10月に池田太監督を招へい。アンダー世代で結果を残してきた指揮官が、世界で戦えるチームを作るために就任した。

10月は国内組だけでトレーニングキャンプを実施。そして迎えた11月はオランダ遠征を実施し、初の対外試合を迎える。

25日にはアイスランド女子代表、29日にはオランダ女子代表との対戦が待っているなでしこジャパンだが、22日に現地入りし試合までの準備期間がほとんどない状況だ。

メディアのオンライン取材に応じた長谷川は、今回が新体制で初招集。初日のトレーニングを受け、新チームの印象を語った。

「指導を受けるのは初めてですけど、なでしこジャパンの今までの合宿とかでよくお会いしていたので、人としての明るさとかは知っています」

「明るさや熱いところ、サッカーへの情熱などは挨拶ひとつ、少し話すだけでも伝わってきていて、イメージ通りでした。良い雰囲気のチームが作れそうだなということは今日の練習をして感じました」

新チームとして始動して間もないものの、良い方向に進む手応えを感じたという長谷川。池田監督が掲げるポゼッションという点については「ボールを回すためにどういう形を作るか、立ち位置のところで、基本的なところの確認、試合では相手もいて状況も違いますが、全員が共通意識を持つ上でのそういった練習ができました」と語り、ポジショニングの大切さを感じたとコメント。「今までやってきた知識にプラスして、違う考え、立ち位置というのもどんどん取り入れていければと思います」と、色々と吸収したいと語った。

初陣の相手であるアイスランド代表は、長谷川が代表初ゴールを決めた相手。2017年3月のアルガルヴェカップでのことだ。

そこから4年が経ち、主軸としての地位を確立してきているが「最近そういう質問をいただきますが、U-20からA代表に入ったタイミングは目標としていたタイミングより遅く、入った時から自分が中心で、チームを勝たせるプレーをしたいと思っていたので、今も変わらずにできているのかなと思っています」と、当時から心境の変化はないと語った。ただ「自分も経験を積んだ中で、サッカーに対する知識も増えてきたと思うので、それを伝える役割は年齢というよりは、試合数、色々な監督とサッカーをして得たことなので、それを伝えなければいけないということは感じます」と、代表としてのプレーや海外でのプレー経験を伝えていきたいと語った。

それでも言葉よりはプレーだという長谷川。「まずはプレーで示すことが大事で、自分のプレーをやってコミュニケーションをとって、全員の共通理解というのも、その考え方を状況状況でチームで1つにするために、自分が材料というか、そういうところになれればと思います」と、チームというものを作る上でのピースになりたいと考えているようだ。

共通理解が必要だと東京五輪後に語っていた長谷川だが、現在のチームでは積極的に選手たちがコミュニケーションを取れている様子。「若い選手たちが多い中で、経験がある選手が積極的に話すことが大事だと感じているので、今は喋る選手が増えたのかなと自分の中では思っています」と語り、「共通理解というところでは、基本的なところですけど、最初の段階でしっかりそういうのができているのは、良いチームになると思います」と、この先のチームの成長に自信を見せた。

アイスランド、そしてオランダは高さもあり、日本としては不利な部分だ。長谷川はウェストハムのチームメイトにアイスランドの選手がいるが「特にアイスランドのチーム自体の話はしていないですが、楽しみと言っていました」とチームのことは話していないとのこと。ただ、「背の高い選手が多く、クロスからの得点を警戒しないといけないと思います」と、やはり高さを武器としてくることは間違いなさそうだ。

それでも長谷川は問題ないと考えている様子。「自分自身は海外で今までやってきて、フィジカルで完全に負けるなという印象は少なくて、タイミングや予測でカバーできるというのは元々持っていましたが、イギリスプレーして早くて強い相手とやっても確信が持てました」と語り、「やり方次第では、クロスに対して強い選手が入ってくる中でも、マークの仕方や上げさせない守備ができると思うので、そこまで気にしなくても良いかなと思います」と、海外でのプレーからも自信を持ってプレーできると語った。

アグレッシブに戦っていくスタイルを標榜する新生なでしこジャパン。その中での特徴としては、サイドバックが高い位置を取ってプレーしていくというものもある。

長谷川は戦い方について「どんな相手でも(池田)太さんのサッカーは、自分たち主導でやりたいというのがあると思うので、サイドバックが高い位置で持ってすぐに攻めるというのはコンセプトです」とコメント。それでも、状況によっては下がる必要もあり「味方を助けるプレーが大事だと思いますし、それが日本人の良さだなということも外に出て気がつきました。基本的にはサイドバックが高い位置を取ることになりますが、助けるためには下がらなければいけない部分だったり、気を遣ってプレーすることが大事だと思います」と、状況を判断しチームとして動けることが大事だと語った。

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