中国メディア・第一経済日報は3日、中国レアアース業界が抱える問題として、価格決定権がなく安値で売らざるを得ないこと、大手企業が二次加工を手掛ける際に扱う製品がいずれも類似していること、全体的な加工レベルが低いことなどを紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、世界の90%にのぼるレアアース資源を供給している中国が、価格決定権を持たないために「白菜同然の価格」で売られているとした。そして、中国五鉱グループの副CEOが「1元の原料を加工して10元、20元で売る。欧米で製品化されて返って来たとき、われわれは1000元を支払わなければならない」と語ったことを紹介した。

 また、中国のレアアース業界が抱える現実的な問題として、国内のレアアース加工企業がネオジム磁石、発光材料、ニッケル水素電池の三大品目に集中しすぎており、ほかの技術分野への参与が少ないことを挙げた。

 大手企業はいずれもレアアースの二次加工を手掛けているものの、扱う製品が似通っていることから「生産過多」の状態になっており、レアアース利用の発展を著しく制約しているとした。

 記事はこのほか、中国におけるレアアースのサプライチェーンが短く、初歩的な加工品にとどまる一方で、はるかに高い価格で二次加工品を外国から輸入しているという業界関係者の声を紹介した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)