新型コロナウイルス・COVID-19・SARS-CoV-2

大金を投じて夢のケープタウンへ新婚旅行に出発した夫婦。ところが旅先がコロナウィルスの変異株感染拡大地域であったため、到着後すぐにトンボ帰りしなくてはならなくなったという。『The Sun』など海外メディアが報じている。


■親族訪問と新婚旅行

イギリス在住の医師のキャットさん(29)と警察官のグラントさん(34)は結婚式を挙げたばかりの新婚夫婦だ。

世界的な新型コロナウィルスの感染拡大のため、南アフリカに暮らすグラントさんの家族はイギリスでの式に参列することができなかった。

そのため、グラントさんの家族に会いに、そして7,000ポンド(約100万円)を投じた豪華なハネムーンを満喫するために、二人は結婚後ケープタウンへと飛び立った。


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■渡航制限の強化

ケープタウンに到着後、携帯電話の電源を入れると膨大な数のメッセージが届いていた。たった今到着した南アフリカの地からイギリスへの入国に、渡航制限が始まることを知った家族や友人が心配して連絡をくれていたのだ。

慌てた夫婦は、到着後すぐに空港の国際線チケット売り場まで走った。しかしそこで告げられたのは「既にフライトは無い」「どんなに早くても12月3日の便」という非情な宣告だった。

■オミクロン株の感染拡大

オミクロン」と名付けられたボツワナ発の新型コロナウィルス変異株は、現在南アフリカで急速に広まりつつある。これを受けて、イギリスでは26日に南アフリカを含む6カ国からの渡航制限を強化することを発表した。

この決定により28日午前4時までにイギリスに帰国できなければ、隔離期間なしに入国できないことになった。

ホテルでの隔離はイギリス政府のウェブサイトを通しての予約が必要で、キャットさん夫婦は二人合わせて3,715ポンド(約56万円)の費用を負担しなくてはならないという。


■迅速化する変異株対策

NHS(イギリスの国民保健サービス)の医師であり所定の日に勤務に復帰する必要があるキャットさんは、「出発前も、飛行中も、到着してからもそんな情報は知らされなかった」と帰国便の日程とそれに続く隔離期間に途方にくれているという。

デルタ株に苦しめられた世界は、新たな変異株により迅速な対応を取るようになってきている。コロナ禍の中での海外旅行には、様々なリスクを考慮するとともに、経済的にも余裕をもつ必要がありそうだ。

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(文/Sirabee 編集部・原田パラン

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