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くるりの結成25周年を記念したトークイベント「くるりトーク」が、本日11月28日に東京・渋谷PARCO内・ComMunEにて開催された。

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イベントには岸田繁くるり)と、くるりファンである高橋茂雄サバンナ)、嶋佐和也ニューヨーク)が出演。くるりの年表をもとに、高橋と嶋佐が特に思い出深い楽曲について岸田に聞いていく。冒頭から高橋が岸田のことを「岸田くん」と呼ぶことに違和感を感じた嶋佐がツッコむと、高橋は岸田と同じ中学の1学年先輩であると説明。高橋は柔道部、岸田は空手部として同じ道場内で過ごしており、交流はなかったものの岸田は高橋のことを「ずっと見てました」と明かした。一方くるりのファン歴が約20年だという嶋佐は12年ほど前に街中で岸田に握手を求めたエピソードを語り、今回仕事で共演できた喜びをにじませた。

高橋は大阪で放送していたラジオに、まだインディーズ時代のくるりが一度だけ出演したことを回想。「その直後に東京へ進出してドーンと売れた」と語り、2001年1月に「ばらの花」がリリースされた頃は、仕事がない自分とくるりの差を感じていたと当時の心境を吐露した。岸田はこの曲を神社で書いたエピソードを語り、歌詞の「ジンジャーエール」と神社がかかっていると解説すると、嶋佐が「ラッパーみたいですね!」と笑顔で感想を挟む場面もあった。

そんな嶋佐は2004年2月にリリースされた「ロックンロール」という楽曲をニューヨーク出囃子として使用するほど大好きな曲だと語る。これを聞いた岸田は2002年に行ったアメリカツアーと、そのツアーで出会ったドラマー、クリストファー・マグワイアとのセッションから多大な影響を受けて完成した楽曲だと当時を振り返った。

終演後の囲み取材では、イベントの感想を求められた岸田が「今まで普通にやってきたので25年の重みと向き合うことはそんなになかったんですけど、今日みたいにファンの皆さんに集まってもらったりすると精進していかないとと改めて思いました」とコメント。高橋は「デビューから知っているので、25周年という節目に同じ場所で話を聞く立場にいれるというのはすごく幸せを感じました」と述べ、嶋佐も「本当に光栄です。10数年前に道端で声をかけた輩がこんなことになるなんて感慨深いです」としみじみ語った。

また25年間の印象的な出来事を聞かれると岸田は「バンドとしてはアメリカツアーが一番大きかった。あれを経験したから今があるなと今でもたまに思い返しますね」と回答。最後に「継続は力なりと言いますけども、『がんばって続けてきた!』とかあまり考えずにやってきたので。メンバーも替わっているし、純粋に同じことをやってきたわけではないんですけど、毎回違うことにチャレンジし続けているということで今までやってこれたんかなあ、という気がしております。まあ気長にやっていければ」と穏やかに語った。なお記者から年末の「M-1グランプリ」について言及された嶋佐は「決勝に行けたらこの『くるりの25回転』Tシャツをワイシャツの中に着させてもらいます(笑)」とコメントした。

渋谷PARCOでは12月14日までくるりのポップアップショップ「くるりの25回転」を開催中。4階のショップスペースではオリジナルグッズが販売されているほか、B1のユニオンレコード渋谷では「くるりのプレイリスト」の展示、立飲みビールボーイではくるりの楽曲をモチーフにした特別コラボメニューが提供されている。

QURULI 25th Anniversary Pop-up Shop「くるりの25回転」

2021年11月27日(土)~12月14日(火)東京都 渋谷PARCO 4F

左から嶋佐和也(ニューヨーク)、岸田繁(くるり)、高橋茂雄(サバンナ)。