プレミアリーグ第13節、チェルシーvsマンチェスター・ユナイテッドが28日にスタンフォードブリッジで行われ、1-1のドローに終わった。
 
現在、2位のマンチェスター・シティ以下に3ポイント差以上を付けて首位に立つチェルシー(勝ち点29)。前節はレスター・シティに3-0、直近のチャンピオンズリーグ(CL)ではユベントスに4-0と完璧なパフォーマンスを披露し、目下9勝1分けの10戦無敗でリーグ首位、CLグループ首位に位置する。
 
プレミアリーグでは2017年11月以来、3敗4分けの7戦未勝利と苦手とする赤い悪魔相手に4年ぶりの白星を目指すこの一戦では、直近のユベントス戦から先発3人を変更。負傷のチルウェルとカンテに代えてマルコス・アロンソ、ロフタス=チーク、プリシッチに代えてヴェルナーを起用した。
 
一方、インターナショナルマッチウィーク前のマンチェスター・ダービーに続き、前節は昇格組ワトフォード相手に1-4で惨敗したユナイテッド(勝ち点17)は、今季最低のリーグ8位に転落。この成績不振を受け、21日にスールシャール監督を解任。アシスタントコーチを務めていたキャリックを暫定指揮官に据えた。
 
その暫定体制で臨んだCLビジャレアル戦ではクリスティアーノ・ロナウドの5戦連続ゴール、サンチョの加入後初ゴールによって2-0の勝利。最終節を前に3シーズンぶりの決勝トーナメント進出を決めた。
 
ラングニック氏の暫定監督招へいが決定的となった中、キャリック体制で臨む最後の一戦ではビジャレアル戦から先発4人を変更。出場停止のマグワイアに代えてバイリー、マルシャルとクリスティアーノ・ロナウド、ファン・デ・ベークに代えてマティッチとラッシュフォードブルーノ・フェルナンデスを起用。サンチョとラッシュフォードの2トップにB・フェルナンデスをトップ下に配した[4-3-1-2]を採用した。
 
C・ロナウドをスタメンから外したことで、前からある程度圧力をかけるアウェイチームに対して、ホームチームはボールを握りながら要所で相手の背後を意識した長いボールを織り交ぜながら揺さぶりをかけていく。開始4分には左サイドでうまくDFと入れ替わったハドソン=オドイがボックス内に侵入するが、枠の右隅を狙ったシュートはGKデ・ヘアが左足を残した見事なセーブで阻止する。
 
幸先よくチャンスを作り出したホームチームは、以降も相手の守備を見ながらセンターバックやロフタス=チークの持ち運びなど変化を付けながら左サイドを起点に攻め手を窺う。その流れの中でペナルティアーク付近でのツィエクのシュートや、右サイド深くに抜け出したリース・ジェームズからのクロスにマルコス・アロンソが飛び込むなど、際どい場面を作り出す。
 
一方、前からのプレスが今一つ嵌らず、押し込まれる状況が続くユナイテッドは全体を押し下げてより低い位置にブロックを作りながら、コンパクトネスを保つ。これにより徐々に守備が安定したが、B・フェルナンデスを起点としたカウンターは相手の切り替えの速さもあって機能せず。2トップがほぼ攻撃面で仕事ができない。
 
前半半ば過ぎから終盤にかけてはチェルシーが相手陣内でハーフコートゲームを展開。31分にはリュディガーがボックス手前から強烈なミドルシュートを枠の左上隅に飛ばすが、これはGKデ・ヘアに触られてクロスバーを叩く。さらに、ハドソン=オドイやジェームズがボックス付近で足を振っていくが、先制点には繋がらない。対してユナイテッドサンチョとフレッジが相手のハイラインをかいくぐるシーンを作ったが、こちらはフィニッシュまで持ち込めず。試合は終始ホームチームペースで進んだが、0-0のスコアでハーフタイムを迎えた。
 
互いに選手交代なしで臨んだ後半もチェルシーペースで試合が進んでいくが、ユナイテッドが相手のミスを突いてワンチャンスをモノにする。
 
50分、チェルシーが相手陣内右サイドで得たFKの場面でユナイテッドがジェームズのクロスをボックス内で続けて撥ね返す。そして、B・フェルナンデスが大きく蹴り出した滞空時間の長いボールをハーフウェイライン付近のジョルジーニョがダイレクトでクリアせずにトラップを試みると、痛恨のトラップミス。ここにラッシュフォードと共に猛スプリントで圧力をかけたサンチョがボールをかっさらって相手陣内を独走。味方をオトリにGKメンディと駆け引きし、冷静にゴール右下隅へシュートを流し込み、公式戦2試合連発となるプレミアリーグ初ゴールとした。
 
前半からの粘りの戦いが奏功し、この試合最初の枠内シュートでまんまと先制に成功したユナイテッドは、ここからバタつくホームチームに対して、前半ほとんど機能しなかったカウンターで相手を引っくり返す場面も創出。さらに、64分には前がかる相手をけん制する意味合いもあってか、殊勲のサンチョを下げてC・ロナウドを投入する。
 
一方、早い時間帯に追いつきたいチェルシーは中央を固める相手に対して、ウイングバックと前線の選手で数的優位を作りながらサイドを起点に幾度か惜しい場面を作り出す。だが、セットプレーの流れからボックス内でフリーになったヴェルナーがシュートを枠外に外すなど、前半同様に最後の精度を欠く。
 
それでも、焦れずに攻勢を続けるホームチームは67分、セットプレーの競り合いの中で先にルーズボールに反応したチアゴ・シウバがDFワン=ビサカに遅れて蹴られてPKを獲得。これを先制点に絡むミスを犯したジョルジーニョが冷静に左隅へ決めて同点に追いついた。
 
これで1-1のイーブンに戻った試合は勢いづくチェルシーが再び優勢に試合を運んでいく。78分にはマルコス・アロンソハドソン=オドイを下げてプリシッチマウントを投入。ジェームズを左ウイングバック、プリシッチを右ウイングバックに配置する形に変更。さらに、82分には古巣対戦のルカクヴェルナーに代えて投入した。
 
試合終盤にかけてはより勝ち点3がほしいホームチームがリスクを冒して前に出て幾度か際どいシーンを作り出すが、専守防衛の構えを見せるアウェイチームの決死の守りを最後のところで崩し切れない。
 
その後、5分が加えられた後半アディショナルタイムはカウンターの応酬となり、両チームに勝ち越しのチャンスが訪れる非常にオープンな展開に。後半ラストプレーではチェルシーのカウンターからボックス右で仕掛けたプリシッチからの完璧なクロスを、大外でフリーのリュディガーが右足ボレーで合わせるが、ここはうまくヒザを被せることができず。スタンフォードブリッジは熱狂から一転、大きなため息の中でタイムアップを迎えることになった。
 
ホームチームのシュート24本枠内6本に対して、アウェイチームはシュート3本枠内2本とどちらが試合を支配していたかは明白だったが、ユナイテッドがこれまで7戦無敗というデータ通りの勝負強い戦いぶりで敵地から勝ち点1を持ち帰る結果となった。

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