昨今、世界中で急速に普及が進んでいる電動スクーターイギリス在住のある大学生は休暇を楽しんでいたイタリアで電動スクーターに乗っていたところ事故に遭い、脚を失いそうになるほどの大怪我をしたという。『BBC News』『Chronicle Live』などが伝えている。

リンカンシャーのネットルハムに暮らす大学生のエレノアヤングさん(Eleanor Young、21)は昨年8月、旅行先のイタリアローマで電動スクーターに乗っていたところスマートカーと衝突する事故に遭い、右脚を失いかけた。

右脚の二重骨折および動脈損傷、そして歯が折れて口腔内も怪我をしたため数回にわたり手術が必要になったというエレノアさんは当時の状況をこのように振り返った。

「事故のことはあまり覚えていなくて。地面に倒れた数分後に起き上がろうとした時、通りすがりの人に『動かないほうがいい』と言われたんです。その時、大変なことになっているんだと思いました。ショックのせいか痛みもあまり感じなくて、病院に行ってMRIを受けたことは覚えていますが、それから先は記憶にありません。翌日に目が覚めると脚に棒が刺さっていて、医師から『もう少しで足を切断するところだった』と言われました。それで緊急手術を受けることになったのです。」

その後、帰国したエレノアさんだったが試練は続いた。骨を固定するための金属の交換や除去、骨がずれないように金属製ケージの固定や調整などの手術を5回受けたそうだ。

この1年間は大学生活をあきらめ、実家で過ごすことを余儀なくされたと話すエレノアさんはこう明かしている。

「2020年8月以降、脚の手術を8回と口腔外科手術も受けました。脚が変形したり骨がうまく結合しなかったこともあって、何度も手術を受けたけど二度と元には戻りません。それに何か月も家から出ることができなかったので本当に孤独でした。それまで平凡だった私の人生はあの事故をきっかけにがらりと変わってしまったんです。多くの人、特に若い人たちは『E-Scooter』や『E-Moped』などの電動スクーターは楽しいものだと思っています。でも他の乗り物と同じように怪我につながる可能性があるのです。」

事故に関する調査は現在も継続中で、エレノアさんは専門家によるリハビリを受けるためにアーウィン・ミッチェル法律事務所(Irwin Mitchell)のジェイン・マーフィー弁護士(Jayne Murphy)に調査を依頼したという。

傷害事故対応を専門とする弁護士のマーフィー氏は、この事故について次のように述べている。

エレノアさんは大きな怪我をしましたが、幸いにも脚を失わずに済みました。しかしこの1年半ほどの間、彼女が自分の身に起きたことを受け入れるのは非常に困難なことでした。今は回復に向けて前進しているものの、まだ多くの課題に直面しています。私たちは現在、彼女の回復を支援するため事故の状況について調査中です。現在、ニューカッスルを含むイギリス各地でたくさんの電動スクーターが走っていますが、公道での走行を許可されているのは特定の地域のみです。それには認可された電動スクーターレンタルする必要があり、個人所有のものは私有地でしか乗ることができません。」

「しかし海外ではルールが異なります。レンタルの電動スクーターは、ある程度の保険に加入しているものがほとんどです。しかしその補償額は様々なのでレンタルする前に確認することが重要です。国内でも海外でも電動スクーターレンタルする場合は保険のレベルを検討するだけでなく、常に注意を払い、適切な保護具を着用することが重要です。」

画像は『BBC News 2021年11月26日付「E-moped crash warning from student who nearly lost leg」(PA MEDIA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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