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ブラック企業で勤務した人の中には「自分の失敗を部下のせいにしたりきちんとした報告を上層部に上げてくれない」(50代男性/営業)と、上司にうんざりした経験を語る人が少なくない。今回は、不幸にも上司に恵まれなかった人の回答を紹介する。(文:林加奈)

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部下の印鑑を借用して設計ミスだらけの図面を作成した上司

技術者の40代男性は、過去に機械設計の仕事をしていたことがある。仕事内容は、自分で設計したものをCADで製図し、図面に書き上げて最後にチェックをして職印を押すというものだった。ある時、基礎的な設計ミスだらけの図面で、男性の職印が押されていたものが出てきたという。

「担当していた製品とは違う、全く身に覚えのない図面でしたが、私のせいにされた挙句、『全く技術をわかっていない人』と陰口をたたかれてしまっておりました。あとで共用サーバに保存されたCADデータを調べてみると、自分の上司が設計した形跡があり、どうやら私の机から職印を勝手に持ち出しては使っていたようでした」

基礎的な設計ミスだらけの図面を作成した上司が、部下である男性の職印を押していたというわけだ。男性は人事部門や役員に事の顛末を説明したが、全く取り合ってもらえず、結局追い出されるようにして退職を余儀なくされた。男性は

「上司自体、技術者として知識経験が非常に不足しているどころか、機械製図すらまともにできないことが多く、自分に嫌がらせのつもりでそのようなことをしたのか、責任逃れのために私を利用したのかとは思います。あまりにもひどいことをされ、今でもそのフラッシュバックに悩まされています」

と辛い状況を綴っている。

「設計ミスだらけの図面に見に覚えのない自分の印が押されていた」 → 実は上司が勝手に押していたことが判明