お皿の上に並んでいるのは、みずうおポケモンヌオー。実はこれ、手作りのお菓子なんです。まるで本物のようなリアルさと、美味しさを兼ね備えたポケモンのお菓子を作り、Twitterに写真を投稿しているのは、会社員の「ぽん次郎」さん。ご本人に、これらのお菓子について話をうかがいました。

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 知らない人が見たらプロの菓子職人の作品に見えてしまう、ポケモンのお菓子。作ったぽん次郎さんは「普段はただの会社員で、帰宅後せっせとお菓子を作っているだけのポケモンファンです」と、照れくさそうに自己紹介してくれました。

 もともとは、2年ほど前から粘土を使ってポケモン作りをおこなっていたといいます。「コロナで家時間が増え、粘土作品を作り過ぎてしまって置き場に困り『食べちゃえば置き場に困らない!』と、今年(2021年)の4月からお菓子で作り始めました」ときっかけを語ってくれました。

 これまでにお菓子作りの経験が豊富だったわけではなく、お菓子作りはまったくの独学だといいます。「材料なども市販の商品の裏面見て原材料を調べて、分量を色々試して作っているので、いまだに試行錯誤、失敗の繰り返しです。そのため上手く出来ず、そっとお腹の中にしまうことも多々あります……」とのことですが、とても作り始めて半年余りとは思えない出来栄え。葉っぱをくわえて気取るヤンチャムも、それぞれ違う表情に作り分けられています。

 お菓子のモチーフになるポケモンは、作りたいポケモンが先にあるケースもあるそうですが、大半は食べたいものを決めて、それが似合いそうなポケモンを選んでいるそうです。「たとえば『夏だからゼリー食べたいから、ゼリーが似合うのは水ポケモンだなー』と、マジカルバナナ方式で思いついたポケモンを作っています」とぽん次郎さん。

 また、ネギの大剣ではなくポッキーを持ったネギガナイトは「ポッキーの日プリッツポッキーの日11月11日)に、ポッキーが似合うポケモンを作りたいな……から作った子になります」と発想のきっかけを教えてくれました。確かに、ポッキーでも違和感ないですね。

 作ったお菓子はお自身で食べるだけでなく、お友達や職場の人とも楽しく食べているとのこと。味はさまざまな人の好みがあるので、少し甘さ控えめにし、季節によってさつまいもカボチャといった材料を使い、色彩や季節感も考えているそうです。

 食べてくれるのは必ずしもポケモンファンだけではないそうですが「ポケモンをあまり知らない人たちも『これなんて名前?可愛い!調べてみる!』など、ポケモンに興味持ってもらえるので、それも嬉しい利点です」と、評判もいいようです。ゲームに興味がなくても、こういうきっかけで好きになる人が増えてくれると、ファンとしては嬉しいですよね。

 ご自身で気に入っている作品をうかがうと「白玉で作ったモクローどら焼きや、ガラルポニータの練り切りなどが個人的に可愛くできてお気に入りです」とのこと。どら焼きに挟まれたモクローは、白玉でできているだけに引っ張ると伸びるのが楽しいですね。


 ガラルポニータの練り切り(和菓子の一種)は、パステルカラーでフワッとした雰囲気がよく出ています。白あんの体を切ってみると、中にはこしあんが隠れていました。


 Twitterで出来上がったポケモンお菓子を発表するたび、いろいろなリプライが寄せられています。これについては「『子どもと一緒に見るの楽しみにしてます』や『作ってみました!』などの嬉しい応援コメントなどいただけるので、もっと届いてもらいたいって次の作品づくりにワクワクして頑張れます!」と話してくれました。

 作ってみたい、食べてみたい、という反応が寄せられるようになっているので、レシピについては「なるべくシンプルなデザインで『誰でも作れそう!』って思えるような子になるよう心がけてます」と、お菓子作りを通じてポケモンファンの輪が広がるのを期待している様子。

 「家族で作ったりなど、ゲームやアニメ以外でも幅広い世代がポケモンを楽しんでもらえたら嬉しいなと思います」と語るぽん次郎さん。作り方などの質問が多かったものについては、自身のYouTubeチャンネル「ぽん次郎 ”Craft Channel”」に、作り方を動画にして公開もしているそうですよ。

<記事化協力>
ぽん次郎@こねる系ポケモンさん(@Ponjiro_clay)

(咲村珠樹)

リアルなポケモンの手作りお菓子に驚嘆 食べるのがもったいない!