11月27日グアテマラから米マイアミ空港に着陸した飛行機で離着陸用の車輪などが格納されているスペースに身を隠していた男が逮捕された。関係者によるとその場所はフライト中には氷点下になると言い、約2時間半のフライトを耐えた男に関係者は「生きていたのが信じられない」と驚愕している。『NBC 6』などが伝えた。

男が身を隠していたのはアメリカン航空1182便で、11月27日の午前10時過ぎにグアテマラから米マイアミ空港に到着した。男が発見された当時の映像がSNS上に投稿され、拡散されている。ジーンズジャケットというラフな格好の男は関係者2人に腕を抱えられながらも自らの足で立っており、自分で地面に座り込む姿も捉えられている。

アメリカン航空から連絡を受けたアメリカ合衆国税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection)のスタッフや救急隊が大勢到着し、男は救急車で近くの病院に運ばれた。しかし目立ったケガはなく、のちに逮捕されたと報道されている。

米メディア『NBC 6』の調査員でパイロットでもあるウィラード・シェパードさん(Willard Shepard)は、男が身を隠していた車輪格納スペースはフライト中に氷点下の温度になると指摘しており、「恐らくこの男は約2時間も氷点下の温度に晒されていたことになります」と驚きの見解を述べている。

元アメリカン航空のパイロットであるウェイン・ジスカルさん(Wayne Ziskal)は、過去に自身が操縦する飛行機に密航者が乗っていたことがあると言い、温度が氷点下となること以外にも危険は多くあると話す。

「酸素不足や低体温症などで意識を失った人は体を固定することができないので、着陸のための装置が放出された際に外へ投げ出されて命を落としてしまうのです。これは非常に悲劇的なことです。」

そうウェインさんが明かすように、2019年にもギニアからモロッコへ到着した飛行機の格納庫に密航者が潜んでおり、着陸時には死亡していたという

このたび密航を企てた男については26歳のグアテマラ人としか明かされておらず、現在はアメリカ合衆国移民・関税執行局(U.S. Immigration and Customs Enforcement)の保護下に置かれ、フロリダ州ポンパノビーチにある移民拘留センター「Broward Transitional Center」に拘留されている。この事件の詳細については、現在も調査が進められているという。

なお過去1年間に、米国の国境警備隊により逮捕または追放された約170万人の移民の大部分をグアテマラが占めている。またアメリカ連邦航空局(Federal Aviation Administration)によると1947年以降、全世界で129人が飛行機で密航しており、そのうち100人がケガをしたり亡くなってしまったそうだ。

画像は『Fox News 2021年11月28日付「Man hides in landing gear of American Airlines flight from Guatemala to Miami」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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