鋼の錬金術師」「機動戦士ガンダム00」など数々のアニメーションを手掛けてきた水島精二が総監督を、映画『聲の形』(16)や「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の吉田玲子が脚本を手掛ける、フラを踊ることを仕事に選んだ新人ダンサーたちを題材にしたオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』(12月3日公開)。本稿では、MOVIE WALKER PRESS試写会でいち早く鑑賞した観客から寄せられた、リアルな“声”を紹介していきたい。

【写真を見る】瑞々しく描かれたキャラクターに共感!観客の心を動かした、『フラ・フラダンス』の魅力

■同世代たちが共感!フレッシュなキャストが体現したキャラクターの魅力

新人フラガールたちの成長を、笑いあり涙ありで描く本作。福島県いわき市に暮らす高校生の夏凪日羽は、卒業後の進路に迷うなか、かつて姉の真理が務めていたスパリゾートハワイアンズのポスターを見かけ、衝動的にフラガールの採用試験に応募。フラ未経験でありながら採用されると、個性豊かな4人の同期、環奈、蘭子、オハナしおんと共にフラガールとしての道を歩みだし、失敗を繰り返しながら少しずつ成長していく。

「それぞれ個性が描かれており、非常に見応えがある」(20代・男性)などの声からもわかるとおり、登場人物たちと同年代のフレッシュなキャスト陣によって命を吹き込まれたキャラクターたちが生き生きと描かれている本作。特に10代から20代前半の観客には刺さるものが多かったようだ。

例えば、フラダンス初心者で自分に自信を持てない繊細な一面も持ちながらも、ダンスを見に来る人を「笑顔にしたい」一心で努力を惜しまない主人公の日羽。どこかフラフラとしているが、心の奥には芯のある人物像を、「クッキンアイドルアイ!マイ!まいん!」の“まいんちゃん”としてブレイクし、2022年度後期に放送予定のNHK連続テレビ小説舞いあがれ!」では主人公の岩倉舞役を演じることが決定している福原遥が、その美声を生かして瑞々しく演じている。

「ダンス経験がゼロだったのに、努力で成長していく姿がすごくかっこよかった」(20代・女性)

「自分に自信のない日羽ちゃんが仲間や支えてくれる人たちと成長していく姿に心打たれた」(10代・女性)

「壁にぶつかりがちなところに共感した」(20代・女性)

「日羽ちゃんががんばっているところに背中を押されました」(10代・女性)

などの若い世代を中心にコメントが並んだ。そんな日羽と共に切磋琢磨していく仲間の一人、フラダンスの実力者でプロ意識の高い環奈を演じるのは、同じく子役から活躍し、声優としても活動する美山加恋キリッとした語り口調でストイックな性格を表現した演技には、「子役からの成長を非常に感じた」(20代・男性)といった意見も。

また映画声優初挑戦の若手女優・富田望生が扮した、明るく振る舞うムードメーカーの蘭子には「自分の長所と短所をよくわかっていて、自分なりの思いやりがあるところが良かった」(10代・女性)との声が寄せられ、新人フラガールたちがそれぞれ個性的な人物像であることがわかる。

「それぞれのキャラクターが苦悩や葛藤を抱えており、チームになっていくことでそれを乗り越えていく過程に共感しました」(20代・男性)

「夢を叶えるために上京してきたので、改めて周りへの感謝を感じました」(20代・女性)

「最初はギクシャクしていた5人が、フラダンスによって心を通わせ始める部分は、学校生活での思い出がよみがえった」(20代・女性)

時に互いの個性がぶつかり、失敗をしながらも絆を深めていくフラガールたちの奮闘の日々は、多くの観客の心に響いたようだ。

■“あの頃”を思い出す…お仕事ドラマとしての魅力も満載!

そんな若い世代に刺さるキャラクターの魅力に加え、本作は、新人に向けられる先輩からの叱咤激励やダンサーを順位づけする厳しい評価制度が描かれたり、設備の点検員をはじめとする様々な立場の人物が登場したりと、お仕事ドラマとしても見応えのある1作だ。

主人公たちが、チームの不和を乗り越えていくシーンに対する「会社で私のいるチームがちょっと崩壊しているため、全国大会でみんなが踊るシーンは、仲間っていいなと素直に思いました。個人的にグッときました」(20代・女性)という、現在進行形のアツいメッセージも届いている。それ以上に多かったのが、

「右も左もわからない日々を主人公に重ねて思い出した」(30代・男性)

「社会人になった時の大変さを思い出しました」(30代・女性)

「日羽ちゃんが先輩に怒られるシーン。新人の頃を思い出しました」(30代・女性)

など、様々な苦難に立ち塞がれながらも奮闘する彼女たちと、自らの新人時代を重ね合わせたという熱っぽいコメントたちだ。

また、「チームを育てるのに四苦八苦しているところに共感」(30代・男性)といった新人フラガールのマネジメントをする和人(山田裕貴)の立場での意見や、「主人公が入社式マイクを頭にぶつけたシーン。私もやってしまったので思い出してしまった」(30代・男性)といった失敗談に関する具体的な声も散見された。

■3Dを駆使して描かれる、圧巻のダンスが気持ちを盛り上げる!

加えて大きな目玉となっているのが、3Dで描かれているフラダンスシーンだ。これらのシーンはなんと、ハワイアンズの現役フラガールたちによってモーションキャプチャー収録されており、そのクオリティは折り紙付き。「ダンスシーンのなめらかな動き」(30代・男性)など、映画ならではの見どころとして挙げるコメントもたくさん寄せられている。

「本物を見ているように、なめらかに表現されていてとてもキレイでした」(20代・女性)

「フラのシーンは特に美しかったです。メイクや衣装もすてきでした!」(30代・女性)

「フラのしなやかさがとてもキレイ」(20代・女性)

「ステージに立って踊った経験があり、ステージ側から見た景色、緊張感を思い出しました」(30代・女性)

また終盤で描かれるダンスシーンに関しても多くの意見が寄せられた。

「大会でのダンスシーンは本当に楽しそうで見ていてこちらも楽しい気分になりました!」(30代・女性)

「フラダンスするシーンはとても盛り上がって良かったです。応援したり手拍子したくなりました」(30代・女性)

主人公たちが踊る姿を3Dでダイナミックに描いた、臨場感と動きのリアリティを両立したライブシーンは、これから作品を観る人の印象にも残るはずだ。

共感必至のキャラクター、お仕事ものとしての奥深さ、圧巻のダンスシーン。3つの大きな魅力を備えている『フラ・フラダンス』。

「元気をもらえる作品」(30代・女性)

「仲間との絆や家族愛に心が温まった」(10代・女性)

「自分の進路に悩んでいる人や一歩踏み出したい人に観てほしいと思いました」(10代・女性)

これらの言葉が証明するように、その最大の魅力は、誰もが前向きになれる点だろう。ポジティブなエナジーに満ちた1作なので、新米社会人や進路に悩む学生など主人公たちと境遇が近い世代はもちろん、「最近、活力が足りない…」とお嘆きのベテランの方々もぜひ劇場でチェックして、本作の爽やかな感動を体感してほしい。

構成・文/サンクレイオ翼

ポジティブな気持ちになれる『フラ・フラダンス』の魅力を深掘り!/[c]BNP, FUJITV/おしゃれサロンなつなぎ