ベンチャー企業の女性社長の波瀾(はらん)万丈な生き様から幸せのカタチは何なのかを問う「SUPER RICH」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)。

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さまざまなトラブルに見舞われながらも会社を軌道に乗せてきた氷河衛(江口のりこ)は、春野優(赤楚衛二)のプロポーズも受け順風満帆。ただ、常に衛の側で会社を支えてきた今吉零子(中村ゆり)が退社を決断。

また衛が全幅の信頼を置いている宮村空(町田啓太)と衛の元上司・島谷聡美(松嶋菜々子)が密会するなど、不穏な空気に…。

今回は、自分の思ったことをはっきり言う元インターンの田中リリカを演じる志田未来に直撃インタビュー。リリカの魅力や現場の雰囲気、今後の見どころなどを語ってもらった。

志田未来、ドラマについて「ジェットコースターのよう」

――いよいよ佳境になってきましたが、放送をご覧になっていかがですか?

台本を読んでいるときからスピード感があると感じていたのですが、第1話を見たときに、映像の方がさらにスピード感が増し、ジェットコースターのようだと感じました。次から次へと大変なことが起きて息もつかさぬ感じがすごく面白いです。出演していても、イチ視聴者として、本当に楽しみながら見ています。

――前半は大学生の役でしたが、リリカの役を聞いたときの印象を教えてください。

大丈夫?と少し思いました(笑)。元々幼く見えるのですが、それでも28歳ですから。実際に同じインターンを演じた板垣瑞生くんは21歳、野々村はなのさんは22歳で、さすがに並ぶと老けて見えるのでは?と不安になりましたが意外と大丈夫で、ちょっと笑っちゃいました。

とくに前半のリリカは就職も決まらず、すごく焦って葛藤している女の子。ただ悪い子ではなく、もがいているからちょっとキツめの言動になっていたりしています。演じる際は、生意気なところを出しつつも心の焦りを意識しました。あと、若さからか、上下関係を考えずにズケズケ言っちゃうところがあって…。その辺はきちんと出したいと思って演じました。

――キツい印象がありつつも、酔っ払って本音がダダ漏れてしまうなどかわいらしい一面が垣間見られる人間味あふれるキャラクターですね。

そうなんですよ。きっとツンデレなんですよね。会社が引っ越すときも絶対についていきたい思いはあったのに、素直に「ついてきます!」とは言えていなかったですし。でも正社員になって、どんどんリリカの心の中でも変化が起きています。あえて言葉に出さない女の子なので、そこは温かく見守ってほしいです。

――思ったことをはっきりと口にするリリカに共感できますか?

私自身は思ったことがあってもなかなか言えないので、うらやましいです。好き勝手言っているのに、みんなとなじんでいるのもいいなって。なかなかあんな風には受け入れてもらえないだろうし、堂々ともできないですから。ただ私も、最近は自分が思ったことは少しずつですが伝えるようにしています。思っているだけでは伝わらない事が分かってきたので。20代前半でそれを分かっているリリカはすごいと思います。

――リリカを含めどのキャラクターも個性的で魅力的ですよね。

一人一人が色んなことに悩んでいて、色んな方向に矢印が向いているのがすごく面白いと思います。です。衛さん(江口のりこ)と優くん(赤楚衛二)の恋愛のパートにはいないので、OAを見るのを楽しみにしています。どの方に自分が感情移入しても楽しめる作品になっているのはすごいと思います。

ちなみに私は鮫島さん(菅野莉央)がすごく好きです。会社設立のときから一緒に支えている縁の下の力持で、和やかな雰囲気だけどかっこいい存在です。仕事もきちんとできてフォローもできる、リリカとは真逆のキャラクターですね(笑)。

――そんな鮫島の変化をリリカはいち早く察知していました。

前面に押し出すだけではない気の使い方がリリカらしい優しさだと思います。鮫島さんの出来事を通して、リリカの魅力も伝わればいいなと思います。

――現場の雰囲気はいかがですか?

明るいです。スピード感のある物語の展開とは逆に、穏やかな方々ばかりなので、ほのぼのとした心地のいい現場です。社内のシーンは一連で撮影することも多く、掛け合いばかりなのですが、誰も合わせる前に練習をされません。なので、自分も家でしっかりと覚えて現場に入らなきゃというプレッシャーはあります(笑)。でもこのメンバーだから、こんなにスムーズに撮影ができているのだと思っています。

――刺激を受けたりしますか?

毎日、受けています。間合いがすごいんですよ。一連で撮っていても、笑いのポイントみたいなところで間を置いたりして…。その絶妙なバランスは本当にすごいです。そして何よりも江口さんの古田新太さんに対するツッコミが面白くって。自然にツッコまれているけど、お互いにあうんの呼吸で計算されていて。一緒にいて、笑ってしまいそうになって困ってしまいます(笑)。

――現場では大人チームと学生チームに分かれているのですか?

そうですね。インターンチームは同じシーンも多いので、一緒に過ごすことが多かったですが、赤楚くんは、大人チームの方に行ったりこっちに来たりと子犬のようにみなさんの所を行き来して…。優くんとかぶるところがありますね。私は同い年なんですが、かわいらしい方だなと思って見ています(笑)。

――印象に残っているシーンはありますか?

第3話で会社が引っ越しをし、スリースターブックスの看板を掲げて「よし、ここでやっていくぞ!」と決意を固めるシーンは、まだリリカはインターンでしたが、仲間になれた気がして印象に残っています。改めてひとつのチームになれたというか…。

あと個人的に印象に残っているのは、前半に多かったラーメンを食べながらセリフを言うシーンです。セリフを言っていると、どこまで食べているのか分からなくなってテンパったりしました(笑)。食事のシーンは本当に難しいです。

それから、私ではないですが、第7話の麻雀をしているシーンで赤楚くんが、間違って雀卓にあるボタンを押してしまって…。お芝居なので、どの牌を取れば役になるみたいなものが細かく決まって設置されていたのに、全部崩れ落ちてしまって…。もう「あーーっ」って感じで(笑)。急いでスタッフさんが写真を見ながら「これかな?」「こっちじゃない?」みたいなことを言いながらセッティングをしていたのですが、私たちも「これだよ」みたいな感じで一緒に直して。なんかゲームみたいでした。こんなことがあってもピリッとせず笑えていたのは、このドラマのみなさんだからだと思いました。

――第7話のラストで宮村(町田啓太)と今吉(中村ゆり)が不審な動きをしていましたが、今後の見どころを教えてください。

第8話もこんなことが起こるの?という出来事の連続で、私の中でも台本をいただいてかなり驚きました。物語もガラリと動きますし、大丈夫?と思うことがたくさんある、ドキドキだらけの回です。それは会社だけではなく、それぞれが抱えている問題が爆発したりと本当に内容が濃くて…。ぜひドキドキして楽しんでいただきたいです。

そしてリリカでいうと、自分のことでいっぱいだったのが少しずつ周りに目を配れるように成長してきています。これから最終回に向けて、彼女の成長にも注目して楽しんでいただきたいです。

取材・文=玉置晴子

「SUPER RICH」に出演する志田未来/ 撮影=阿部岳人