今から1年前、イギリスの動物保護団体に1匹の犬が連れてこられた。被毛が汚れ健康状態も芳しくなかったが、一番の問題はその太り過ぎた体で体重は100キロを超えていた。すぐにスタッフらとともに減量に取り組んだ結果、1年かけて約40キロのダイエットに成功した。見違えるほどスリムになった犬の姿を『Dorset Live』などが伝えている。

話題の超肥満犬は昨年11月、英ドーセット州にある英国動物虐待防止協会(The Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals、以下RSPCA)にやってきた。

その犬はオスのアラスカン・マラミュートで、“トロージャン(Trojan、10)”と名付けられた。被毛は汚れて伸びきった状態で、そして見た目にも分かるほど大問題であったその体重を量ってみると、101キロをマークした。

アラスカン・マラミュートは大型犬だが、体重はオスで約43キロとされており、トロージャンは倍以上になってしまっていた。そのあまりの大きさに驚いた地元紙『Dorset Live』は「ゾウの赤ちゃんの体重(約90キロ)よりも重い」とまで表現している。

同州にあるRSPCAの動物ヘルスケアセンター「Ashley Heath Animal Centre」に勤めるニコラアンソニーさん(Nicola Anthony)は、「トロージャンは1年前、本当に可哀そうな状態でやってきました。汚れた長い被毛はもつれてしまい、酷い肥満の状態でした」と当時のトロージャンの様子を振り返った。

続けて「トロージャンは特別な食事や運動をしてダイエットに取り組んだことで、ゆっくりと安全に体重を減らしていきました。1年かかりましたが、今では当時の半分ほどの体重となりましたよ」とトロージャンのダイエット成功を明かした。

101キロだったトロージャンの体重は1年かけて60.1キロにまで減らすことができ、40キロ以上の減量に成功して見事に健康体を取り戻した。減量後の写真を見ると、ピンッと立った耳がぬいぐるみのようで、減量前からは想像がつかないほど可愛らしい姿に変身した。

減量をクリアしてスリムになったトロージャンだったが、関節炎や甲状腺の問題も抱えていた。現在は新しい飼い主を探しているが、関節炎や甲状腺に関してはペット保険の対象外であり、コスト面やトロージャンが10歳の高齢犬であることなどが壁となり難航しているという。

ニコラさんは「トロージャンは短い散歩にも行きますし、庭を歩き回ったり匂いを嗅ぎ回るのも大好きです。他の犬とも仲良くはできますが、飛びかかられるのは苦手なので穏やかな犬たちと過ごせると良いですね」と話し、トロージャンの理想的な生活を過ごせる家が見つかるように祈っているという。

またRSPCAの獣医スタッフ長であるキャロラインアレンさん(Caroline Allen)は「最近の調査では、ペットの肥満が深刻な問題となっています」と明かし、「ペットとして飼われている犬の約半数が肥満であるという調査結果が出ています。私たちは親切心から、自らのペットを死に追いやっているのです」と衝撃的なコメントを残している。

キャロラインさんは「肥満になってしまったペットは、心臓病や糖尿病などの重大な健康問題に苦しみます。体重が増え続ければ、関節炎を患う確率や寿命が短くなってしまう可能性も上昇するのです」と述べており、心配な場合には獣医に相談することを推奨している。

画像は『Dorset Live 2021年11月30日付「Dog weighing same as baby elephant branded ‘slimmer of the year’ after shedding weight」(Image: RSPCA)』『Metro 2021年12月1日付「Super slimmer dog who weighed the same as a baby elephant sheds half his body weight」(Picture: RSPCA/SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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