冬の嵐が襲ったイギリスから驚きの映像が届いた。男性が大きな雪の山を掘り進めていくと、なんと中から1頭の羊が出てきたのだ。激しい吹雪で一気に雪が積もってしまい、逃げ遅れた羊が雪に埋もれてしまったという。救出当時を捉えた映像には「こんな光景は見たことがない」など驚きの声が寄せられている。『Metro』などが伝えた。

英スタッフォードシャーのオーンコートにある農場「Herdwicks of Highfields Farm」が先月30日、Twitterに1本の動画を投稿したところ注目を集めた。

そこには吹雪が吹き荒れる中、地面に四つ這いになりながら大きな雪の山に頭を突っ込んで雪をかき出す男性の後ろ姿が映っている。そして男性が穴の中から出てくると、なんと奥から困惑した様子の羊が顔を覗かせた。

羊は体が雪に埋もれて動けなくなっているようで、男性は再び穴に潜って雪をかき出す作業を続けた。そしてしばらく掘り続けると、ようやく羊は雪の山から解放されて外に出ることができた。

同地域では冬の嵐「アーウェン(Arwen)」が猛威を振るい、映像からも分かるように冷たい風や雪が吹き付ける天候が続いていた。

先月27日の朝6時、同農場を経営するニヴ・バーカーさん(Nev Barker、48)とケイト・バーカーさん(Kate Barker、49)は、吹雪により10フィート(約3メートル)も降り積もった雪に不安を覚えていた。

ニヴさんたちは、雪や寒さに強いと言われる“ハードウィックシープ(Herdwick sheep)”という品種の羊を合計50頭飼育している。多少の雪であれば問題はないが、当時は停電が起きてしまうほど激しい吹雪で、この時ばかりはさすがに羊たちが心配になったという。ニヴさんらは吹雪の中、羊たちの無事を確認しに行くことにした。

ケイトさんは「羊たちがいるエリアへの入り口は、雪で覆われていました。腰に迫るほどの積雪で、沈んでしまいそうなほどの深さでした」と当時の状況を振り返っており、羊たちの安否が気掛かりだったという。

最初は6頭の羊しか見つけられなかったそうだが、すぐに小屋の陰で大雪を凌いでいた羊たちを見つけることができた。小屋の入り口は雪で塞がれてしまっており、ニヴさんとケイトさんは小屋に入れるよう除雪して羊たちを中に避難させた。しかしそれでも37頭しか見つけられず、行方不明になった他の羊を約2時間かけて探していた。

羊飼いが使う杖を使い、降り積もった雪をかき分けて残りの羊を懸命に探すと、雪の中に埋もれていた3頭の羊を探し出すことができた。そしてそのうちの1匹を救出する様子を捉えたのが、Twitterに投稿された動画だった。

先に救出された2頭は撮影者であるケイトさんの後ろに寄り添っていたという。そして救出した羊を小屋へ連れて行き体調を確認すると、みな無事であることが判明した。暖かいウールの毛が羊たちの体温を守っていたのかもしれない。

雪の山から羊を救出するという驚きの事態を捉えたこの動画は、25万回を超す再生回数を記録している。コメント欄には「これは信じられないな」「こんな光景は見たことがないよ」「羊がみんな助かって本当によかった」などの声が多数寄せられていた。

なお停電は29日の夕方に復旧したそうだが、高く降り積もった雪は残っており、ニヴさんらはその対処に追われていたという。

画像は『WhatsNew2Day 2021年12月2日付「Peak District Farmers Dig Their Flock Of Sheep From 10ft Snowdrift After Storm Arwen [Video]」(Triangle News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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