悩む・うつ・頭痛・記憶喪失

恋人の裏切り、知らされたHIV感染、そして家族にも事実を伏せたまま過ごしてきた年月…。長いあいだ苦しんだ男性の話を、『AsiaOne』など海外のメディアが紹介した。


■HIV感染が明らかに

シンガポールで暮らす30代の男性は、大学時代に体調を崩し不調が続いたため、病院で検査を受けた。そこでHIV陽性と告げられたという。

男性は同性の恋人と別れたばかりで、そちらが感染源であることは間違いなかった。その後、元恋人が浮気によってHIVに感染し、同時に交際していた男性にもうつったことが明らかになった。

すべてを知った男性はひどいショックを受け、ふと気づくとある建物のエレベーターに乗り、9階のボタンを押していたという。


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■自殺を考えるように

建物の9階まで上がった男性は、「自分は同性愛者であることであんなに苦悩したのに、今度はHIVに感染か…」「ここから飛び降りてしまおう」と考えた。

しかし、どうしても飛ぶことができず悩んだ男性は、思い切って親友3人にだけ真実を告げた。このとき親友たちは男性に寄り添い、「これで薬を買えばいいよ」とお金まで差し出したという。

また「気持ちが落ち着くまでここにいろ」と居候することも許し、男性を支えたそうだ。

■家族には真相を伏せ…

友達には事実を明かせた男性だが、家族には今も真実を伝えていない。HIV陽性と知った日から、すでに9年。家族は男性が病気であることも、同性愛者であることも知らないのだ。

支えてほしい気持ちはあるが、保守的で伝統にこだわる家族には理解してもらえない。そして何より、人々の偏見が恐ろしいのだという。


■新たな出会いと恋

悩みも多いというが治療は順調で、ウイルス量は検出限界値未満になっている。それでも恋には臆病になっていた男性が、7年前にある紳士に惹かれ、勇気を出して事実を伝えたところ「心配するな」と抱きしめてもらえたのだという。

男性は匿名でメディアにこれまでの経緯を明かし、感染して間がなく悩んでいる人たちに「大丈夫だよ、きっと乗り越えられると伝えたい」と語った。

真剣に交際したい考えるカップルが、互いへの愛情を証明するためにHIV検査を受けるケースも増えているという。いずれにしても、HIV検査は匿名で受けられる。

心配な人はぜひ受けていただきたい。「HIV 検査 自治体」でネット検索すれば、有益な情報を探すことができる。

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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

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