バーガーキングのマクドナルドに対する、「いじり」はこれまで何度かお伝えしてきた。イギリスでは一年中いじりたおしていたことをカミングアウトし、デンマークでは公式SNSに寄せられた顧客クレームに勝手に回答しちゃたりと、好き放題やっていたわけだ。
そして今年、ドイツでまたバーガーキングのいじりが炸裂中だ。マクドナルドが出店50年を迎えたそうで、わざわざ宣伝カーを用意し、マクドナルド店舗に祝福に出向いたまではいいのだけれど、その文言がシニカルすぎた。
1971年12月4日、ドイツ・ミュンヘンにマクドナルド1号店がオープンした。今年で出店50年目の節目となる。
一方バーガーキングはというと、マクドナルドの開業から遅れること5年、1976年に1号店をオープン。マクドナルドの方が先輩となる。
そこでドイツのバーガーキングではマクドナルドの50年を祝おうと宣伝カーを用意し、マクドナルド店舗にサプライズ。
それだけ聞けば、ライバル会社ではあるが共に戦ってきた同業者としての熱い友情めいたものを感じるかもしれないが、だがそうじゃなかった。
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どうしても何か言わずにはいられなかったようだ。
宣伝カーの文面で煽って来るスタイル
バーガーキングの宣伝カーには、中世の王様と宮廷道化師(ピエロ)を描いた芸術作品が描かれており、その横にはこんな文言が書かれている。
全ての王様には道化師が必要。ドイツのマクドナルド、50周年おめでとう
50周年おめでとうとは書いてあるものの、バーガーキングのイメージキャラクターは王様である。一方マクドナルドのドナルドはピエロだ。王(バーガーキング)に仕えるピエロ(マクドナルド)という揶揄である。
この宣伝カーをミュンヘンのマクドナルド第1号店の前でゆっくりと走らせ、更に同じ文言で絵だけ変えた15タイプの広告を書いた宣伝カーをミュンヘンの街中に走らせた。
バーガーキング側は「愛情の裏返し」とコメント
バーガーキングがマクドナルドをいじってくるのは今に始まったことではないが、ドイツでは10年前から、CMでがっつりいじっていた。
今回のいじりに対して、バーガーキング・ドイツのマーケティングディレクター、クラウス・シュメイン氏は、ユーモアたっぷりにコメントしている。
こうした「いじり」は、全て愛情の裏返しです。
結局のところ、最近のパンデミックを含め、2社は共に困難な時期を一緒に乗り越えてきました。
中世の時代、全ての王が宮廷道化師を抱えていたように、王は道化師なしではいられず、また逆も然り、と言ったところでしょう。
50年前のドイツにおけるマクドナルドの革命は、このようにして美食への道を切り開いてきたのです。
ドイツのマクドナルドが50周年を迎えたことへの祝福と共に、今後も最善を尽くすことを願っております!
また、この広告を手掛けた代理店「INGO」は次のように述べている。
誰しも、50歳を迎えるのは一生に一度きりです。
バーガーキングが私たちのサポートを受けて、このようにマクドナルドの50周年の祝福の機会を逃さなかったことをとても嬉しく思います。
少なくとも、この作品を見たライバル社同士が、少しでも満足してくれることを願っています。
written by Scarlet / edited by parumo
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